第1回超多収飼料用米が畜産大パニックを防ぐシンポジウム(2008)のご案内
温故知新
現在の一般社団法人日本飼料用米振興協会、その前身である任意団体の超多収穫米普及連絡会。
その更に私たちの発足した出発の2008年学習会(2008年7月26日)「畜産大パニック阻止学習会」を受けて、発足した実行委員会が呼びかけた「飼料用米」に関する初めてのシンポジウムです。
初心を忘れず、掲げた課題が今日どのように推移し、どう進展していくのかともに見守り、発展させましょう。
第1回超多収飼料シンポジウムでのビデオ映像(ユーチューブ)とテキスト(PDF)をアップしました。
農林水産省大臣官房 食料安全保障課 課長 末松広様 への要請文書
目次
第1回 「超多収飼料用米が畜産・大パニックを」防ぐシンポジウム
パネル討論(左奥から)
◆コーディネーター
㈱NERC(自然エネルギー研究センター)取締役・東京支所長 若狭 良治
◆パネラー
東京農業大学 農学部 畜産マネジメント学科 准教授 信岡 誠治 博士
畜産農民全国協議会 会長 森島 倫生
共同代表(全国養鶏経営者会議 会長)石澤 直士
家庭栄養研究会「食べ物通信」 (全国消団連運営委員) 副会長 蓮尾 隆子
生活協同組合事業連合会 生活クラブ生活協同組合連合会 会長 加藤 好一
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特別報告「超多収飼料米が畜産と水田を救う」
東京農業大学 農学部 畜産マネジメント研究室
准教授 信岡誠治 博士
結論: 飼料米は全ての家畜に給与可能
■ 家禽類にはモミ米のままで給与、トウモロコシと100%代替可能
■豚にはモミ米あるいは玄米を粉砕して給与、 現在のところ肥育後期において10~30%を給与
■肉牛にはモミ米あるいは玄米を粉砕または圧ペんしたものを肥育中期、肥育後期に数%~25%給与
■ 乳牛にはモミ米あるいは玄米を粉砕または圧ぺんしたものを数%~25% 給与
■ その他、馬、羊、山羊などにも給与可能
飼料米の実現の鍵は「やる気」と「農家の意識改革」そして「コストダウン」
飼料米はコメであるが、 食用米ではない。
タンパク含量はできるだけ高く、収量はできるだけ多くとれるように栽培した家畜用の飼料穀物である。
飼料米生産コストはできるだけ低く(* 当たり40円~50円)なければ使えない。
飼料米生産コストを10a当たり4万円~5万円に下げるにはどうしたらよいかを考える。
飼料米の所得は「実(もみ米)」だけでなく「わら」を含めて考える。
飼料米を水田作の本作へ
最大の問題は飼料米の価格であるが、一挙に前述した価格 (モミ米1kg当たり40~50円)に引き下げることは困難なので、水田農家の経が成り立つ水準を見極めた政策的な支援(直接支払い)が必要となる。
ただし、食用米と同水準の所得確保を前提としたのでは、膨大なる財政負担の問題が生ずるので、国民が納得できる水準を見極めることがポイントとなる。
政策的には現在、 飼料米は食用米の転作という位置づけであるが、将来的には本作として位置づけていくべきであろう。
本作となればや大豆と同じように生産増強の重要品目に位置づけ、水田経営所得安定対策(品目横断的経営安定対策)の中に組み込んでいくことが必要となる。
当然、水田転作ということでなくなれば減反を廃止し増反に政策の舵を切り替え、思い切った規模拡大路線への政策展開が求められる。
その意味では、飼料米の実用化は農政の根幹を転換する重要なテーマである。
超多収とコスト削減のポイント ① 堆肥は10a当たり3t以上を投入
第1は、堆肥の多投入栽培である。
単収1レベルの超多収を実現するには、それに対応した品種の選定も重要なポイントであるが、同時に施肥量も大幅に増やすことが求められる。
■ N成分量でいうと食用米の施肥量は10a当たり6~8kgであるが、超多収品種はこの4倍の施肥量(N成分量28kg)が基準となっている。
高度化成肥料を施肥すると肥料代がかなりのコストアップ要因となるので、家畜のふん尿を発酵させた堆肥の多投入が一番現実的である。
■10a当たり4tの発酵乾燥鶏糞を投入しているが、倒伏は全くない。投入堆肥の窒素含量、炭素含量など分析して投入量を決めることが重要である。
超多収とコスト削減のポイント ② 水管理の省力化 (湛水深水管理)
◆第2は、 水管理の省略である。
食用米栽培ではきめ細かな水管理を行い中干しなども実施しているが、飼料米栽培は基本的には湛水深水管理でよい。
◆余計な手間を省く意味で細かな水管理の省略は労働時間の短縮に結びつく。
超多収とコスト削減のポイント ③ 乾燥調製作業の省略
◆第3は、立毛乾燥の導入である。
乾燥調製費は非常に高いことからこれを省略する。
立毛のまま放置しておけば、モミ水分含量は下がる。
実際にやってみると案外簡単でモミ水分が15%以下に下がったら収穫すれば良い。
収穫したモミはそのまま貯蔵できるのでかなりのコストダウンが実現できる。
◆ただし、この方法は秋期に雨が少ない西南暖地には適使用できるが、東北地方や日本海側の地域には向かない。
打開策としては高水分のまま収穫して乳酸菌を添加しソフトグレインサイレージ (SGS) として利用する方法がある。
超多収とコスト削減のポイント ④ 育苗作業の省略
◆第4は、育苗作業の省略である。
代表的な栽培法として直播栽培やひこばえ農法の導入が あげられる。
◆直播は、苗立の安定性や雑草対策などの課題を 克服すれば実現可能である。
ひこばえ農法は2期作ができる地域では直ぐに導入できる。
追肥作業だけで新たに田植えをしなくても良い。
超多収とコスト削減のポイント ⑤ 農薬散布の省略
◆ 第5は、農薬の散布の省略である。
飼料米は家畜の飼料であるので農薬の使用はできるだけ控え、農薬残留がないように栽培することが基本となる。
◆現時点では、いもち病も紋枯病もほとんど発生しないので農薬散布の必要はない。
もし、今後発生する恐れがある場合は耐病性の品種を開発育成していく必要がある。
超多収とコスト削減のポイント ⑥ 機械償却費の削減は稼動面積の大幅拡大で
第6は、機械費用の削減である。
畜産の飼料生産では各地で飼料生産を請け負うコントラクターが活躍しているが、飼料米生産にもこうした組織を活用すべきである。
食用米生産でも農作業の請負作業が進展しているが、もっと大規模に展開すべきである。
コンバインなどの稼働面積を大幅に引き上げていけば機械の減価償却費をもっと引き下げることは可能である。
労働時間は6分の1にすることは可能
◆この方法以外にも様々な場面で、飼料米の栽培に適した栽培法の導入が考えられるが、食用米栽培の10a当たり労働時間が約30時間であるのに対して、これらの方法を採用すれば麦作と同程度の5時間程度(6分の1) に短縮できる。
飼料用米と食用米の草型の比較
上 モミロマン(関東飼226) 下 コシヒカリ
飼料米の定義は、 現在定まっていない。(これまでの経過)
食用米生産に伴って発生するクズ米や過剰米を料用に振り向けてきた(現在は主にMA米を利用)。従って、 現在は食用米=飼料米である。
飼料米の最初の構想としては東北大学の角田重三郎らが1978年に提唱した「デントライス」計画があったが、適当な品種が存在しなかったことから実現はしなかった。
「デントライス」計画はコメのエサ化への端緒
「デントライス」計画で目標とされた飼料米専用品種は、多収でかつ極大粒、デンプン質の多い品種で、実取りだけでなくホールクロップサイレージへの利用も視野に入れた長程で生育の良い品種開発の必要性が唱えられた。
これを受けて農水省の研究陣は1981年に「超多収作物の開発と栽培技術の確立(超多収)プロジェクトをスタートさせた。
飼料米生産の目標
●飼料米生産規模
90万ha×1.25t=1,125万t (モミ米、最終生産目標)
(水田は全て水田としてコメ生産に利用する。日本で使用するトウモロコシの75%が飼料米で代替できる)
●飼料米の最終的な販売価格はkg当たり40円~50円 (モミ米)を目標とする
飼料米給与畜産物の栄養機能性への期待
◆栄養機能性の定義を拡張
「必須栄養素」+「保健効果」+「生活習慣病予防効果」 +「老化防止効果」
●ビタミンEの効果 (抗酸化作用)
●人間の健康維持に良い脂肪酸バランス
(リノール酸が減少しオレイン酸が増加)の効果(肉類、鶏卵でデータ有り)
●アミノ酸バランス
●アレルギー軽減効果?
飼料米の意義 (その1)(畜産側のメリット)
⓵ 飼料自給率の向上ができ、目に見える形で食料の安全保障が実現できる。
⓶飼料代のコスト管理が自分でできる
(海外の豊凶や穀物価格の高騰に左右されない)。
⓷ 畜産の新たなビジネスチャンスが産まれる。
⓸トウモロコシの輸入代金約4,000~5,000億円を地域経済の発に振る向けることができる。
⓹畜産物価格の安定と適正利益の確保が期待できる。
⓺国土の有効利用で、真の意味で循環型農業が確立できる
(堆肥処理の悩みがなくなる)。
⓻ 自然環境の浄化に寄与できる。
飼料米の意義 (その2)(耕種側のメリット)
①減反の廃止で水田をフルに活用できる。
②地域農業の所得の増加一就業人口の増加(雇用の拡大)ができる。
③ 水田の地力増強ができる。
④水田農業の新たなビジネスチャンスが産まれる。
⑤稲作経営の合理化、 コストダウンができる。
『最大のメリットは水田農業の新たな活路を切り開くものとして「やる気」という意欲が湧いてくることである。』
具体的な実現方策
1. 超多収の飼料米の開発と導入
2. 飼料米生産コストの大幅なダウンに向けた栽培法の開発と省力栽培システムの導入
3. 大規模水田経営での飼料米生産の実現
4. 減反の廃止
5. 食用米との分別流通体制の構築
6.試験研究機関、大学等との共同研究態勢の構築
7.堆肥等の水田への効率的な施用方法の開発
8. 飼料米の流通体制及び配合システムの構築
9. 飼料米を給与利用した畜産物のマーケティング開発とPR
飼料米生産スローガンは「できるだけ手を抜いて、できるだけまずい米を、できるだけたくさん取る」(3D作戦)を掲げる。
飼料米戦略(目標)
1. 国内畜産物のレギュラー(標準)として飼料米を生産・利用する。
2. 畜産物の真の自給率50%以上をめざす(主原料の2分の1を飼料米に)。
3. 水田農業との連携強化による畜産の農業としての位置づけの確立と地位の向上を図る。
4. 遊休水田をフル活用する。
5. 飼料価格・畜産物価格・畜産経営の安定化を図る。
6. 稲作経営の安定化を図る。
7. 新しい雇用の創出を図る。
8. フードマイレージの短縮を実践(地域で飼料米を流通させ堆肥の水田への還元促進)する。
9. 自然資本(地力)の増強と地球温暖化防止に寄与する。
10. 消費者の健康増進に貢献する。
2008.11.28
ご清聴ありがとうございました。
2008年11月12日の収穫 単収1,073kg(全刈り実収量・モミ重量)
開催要領、式次第
開催要領
日程 平成20年(2008年)11月28日(金)
会場 市ヶ谷 エデュカス東京 講堂
◆開会挨拶
中野区消団連 海老沢恵子 役員
◆主催者挨拶
主催者団体共同代表(前国立市長)上原公子
生活クラブ(連合会)活動報告 庄内みどり農協営農統括課 佐藤秀彰 課長
東都生協商品部畜産チーム 福田 勇チームリーダー
パルシステム連合会産直事業部 那須 豊 課長
◆特別報告「超多収飼料米が畜産と水田を救う」
東京農業大学 農学部 畜産マネジメント研究室 准教授 信岡誠治 博士
○休憩
◆パネル討論・パネルディスカッション、質疑応答
◆アッピール提案 中野区消団連 海老沢恵子 役員
◆閉会挨拶・今後の行動提起 共同代表(主婦連 参与) 清水鳩子
参加者 150名
生協・消費者団体関係者(日生協はじめ2事業連合、8生協、7消費者・環境保全団体)63名、
生産者・農協関係者 28名、農畜産業界・行政関係者(うちメディア・取材15社) 34名、
大学・研究者関係(うち学生20名) 25名
式次第
12:30 準備開始
13:00 開場、参加者受付開始
13:30 開会挨拶 中野区消団連 海老沢恵子 役員
13:35 主催者挨拶 共同代表(前国立市長) 上原公子
13:45
生協生活クラブ連合からの活動報告 庄内みどり農協営農統括課 佐藤秀彰 課長
東都生協商品部畜産チーム 福田 勇チームリーダー
パルシステム連合会産直事業部 那須 豊 課長
14:15 特別報告「超多収飼料米が畜産と水田を救う」
東京農業大学 農学部 畜産マネジメント研究室 准教授 信岡誠治 博士
14:45 休憩・カンパの訴え 中野区消団連 海老沢恵子 役員
14:55 パネル討論
パネルディスカッション、質疑応答
超多収飼料米の生産を本格的に全国に拡大させる“減反から増反へ”の運動を定着させる上で安全性が高くて食量自給率を高め、地域農業への経済効果・耕畜連携循環型地域農業を大きく前進させる現実効果を強調することがポイントとなります。
16:50 アッピール提案 中野区消団連 海老沢恵子 役員
17:05 閉会挨拶・今後の行動提起 共同代表(主婦連 参与) 清水鳩子
参加者 150名
生協・消費者団体関係者(日生協はじめ2事業連合、8生協、7消費者・環境保全団体)63名、
生産者・農協関係者 28名、農畜産業界・行政関係者(うちメディア・取材15社) 34名、
大学・研究者関係(うち学生20名) 25名
「超多収飼料米が畜産・大パニックを防ぐ」シンポジウム呼びかけ文
●‘08年2月までの3年間で畜産・酪農生産者の11.5%、14,490戸が廃業!“
・9月以降、牛乳が品薄になる恐れが出てきた。」(酪農生産者団体からの声、日本経済新聞’08・8・22)
・鶏卵1 ㎏を生産するのに30~50円の赤字が出る!」(日本鶏卵生産者協会調べ)
・今年出荷した(和牛)13頭は、1頭10万円以上の赤字を出し続けている。」
(宮崎県都城市の和牛生産者、日本農業新聞’08・6・12)
●政権投げ出し内閣が打ち出した緊急対策は、飼料暴騰分の限定補填と、生産者乳価の1キロ30銭引き上げ、鶏卵補填基準価格の6円引き上げ等に留まり、抜本策を打ち出せず、『畜産物の生産コスト上昇分を小売価格に転嫁させて乗り切る』(’08・6・12政府の緊急追加対策決定、6・13日本農業新聞)という内容です。しかも限定補填の中身は無利子の貸付に過ぎません。販売価格に転嫁できない生産者は一体どうなるのでしょうか?!
⇒家畜は生きているから、えさを断つことなど断じて出来ない!!
●給与所得が1998年以来9年連続で前年を下回り続けている消費者の大多数はガソリン ・代、食料品と日用品の相次ぐ大幅値上げで家計は火の車!!
⇒ 農水省が先ず飼料代の暴騰分を全額補填することが畜産・大パニックへの拡散を防ぐ第一歩なのです!!⇒「食の安全を国民に保障し、食料自給率を50%に高める」と言う政権投げ出し内閣の公約を引き継いでいる麻生内閣が景気対策としても実行できないことはありません。⇔『一国の安全保障の大前提は基本食料の自給にある。』これは世界の鉄則です。従ってEUに習って水田減反政策を廃止し、汚染米流通の根源であるミニマムアクセス米の輸入を直ちにストップさせることが不可欠となります。
⇒さらに、穀物先物市場への投機ファンドの投機を禁止させる実効策を実行できるよう日本はEUや米国と協調して行動すべきです。
⇒その上で超多収飼料米の本格的作付を全面的にバックアップする実効策を打ち出すことが確実な抜本対策となるのです。→転作水田115万haのうち2万haにMA米相当分の主食用米を、そして95万haの面積で超多収飼料米を作付けできれば飼料用籾米900万t以上、粗飼料用稲藁900万t以上が確実に生産可能と言われています。
*この施策で決定的に重要なのが「“畜産堆肥で栽培した飼料米を家畜に給餌する活動を助成する”耕畜連携水田活用対策事業」の全蓄種での完全実施です(現在は乳牛と肉牛だけに限定)。
⇒耕畜連携により超多収飼料米を生産すれば籾米と稲藁がそれぞれ10アール当1トンずつ確実に生産できることが東京農業大学畜産マネジメント研究室や各地の耕畜連携栽培で実証されています。
○減反水田の全面活用により米の完全自給と飼料自給率の大幅な向上が確実に実現できるのです!!
(都市部の団塊世代による農作業支援も重要と考えられます。)
☆☆日本の食料自給率を4%高め、飼料用コーンの輸入代金4,500億円が全国の地域農業に還元されて農村が間違いなく再生されます。穀物の先物市場への投機が国際的に禁止され、日本の水田の全面活用による主食米の完全自給及び飼料米と稲藁、他の遊休農地での飼料用作物を合わせて1,000万トン以上の飼料穀物と粗飼料の生産が可能となります。それらの実行が穀物相場を確実に沈静化させるファクターとなるのです!!
◎ 呼びかけ人 (11/28現在、敬称略、50音)
浅井民雄(有機農産物普及・堆肥化推進協会副理事長)
井口信治(東京福祉環境会議理事長)
伊藤和夫(鶏卵肉情報センター専務取締役)
上田四郎(コープかながわ組合員)
上原公子(前国立市長)
榎谷雅文(獣医師)
海老沢恵子(中野区消団連書記、元東都生協常勤理事)
甲斐真澄(NPO法人由木の里理事)
金子美登(全国有機農業推進協議会理事長)
清水鳩子(主婦連合会参与)
下山 保(パルシステム生活協同組合連合会初代理事長)
辰濃和男(前日本エッセイストクラブ理事長・元朝日新聞論説委員)
津田誠一(共同購入会・生活舎代表)
蓮尾隆子(家庭栄養研究会副会長)
土方彰子(有機農産物普及・堆肥化推進協会理事)
平田迪子(ワーカーズコープ“旬”代表)
松村敏子(元コープとうきょう理事)
村山節子(ワーカーズコープ キュービック・コールセンター 理事長、元コープかながわ理事)
若狭良治(自然エネルギー研究センター取締役、元コープ低公害車開発代表取締役)
山本寛幸(パシフィックトレード会長、元東都生協理事長)
◎生産者団体からの呼びかけ人
青森ときわ村養鶏農業協同組合 専務理事 石沢直士
畜産農民全国協議会 会長 森島倫生
千葉県長生地域畜産振興協議会 会長 中村種良
農民運動全国連合会食品分析センター 所長 石黒昌孝 以上24氏
問合せ先 遠藤和生 TEL&FAX 042‐676‐5363
E-MAIL roots1124@yahoo.co.jp
代表挨拶 畜産・大パニック阻止実行委員会 共同代表:上原公子)
皆様こんにちは。まだ金曜日ですが、昼間からこんなに大勢お集まりいただきありがとうございます。受付でみましたら、遠くは秋田、山形、岩手からもおいでいただきありがとうございました。
共同代表のひとりであります。上原公子と申します。
ちょっとは賢い消費者のひとり、30年間、生活クラブで活動して参りましたので、少しは賢いと思い暮ら
してきましたが、この間次々と食料の問題が起こってまいりました。
餃子事件続いてバターが生協やスーパーから消える、このことで何がわかったかといいますと、原油高騰により、各生産者は第一次産業の人だけでなく、いろいろな生産者、あらゆる活動している人は、実はもう生産者が行くところがないほどに追い詰められ、消費者はどこで信用してどこで買ったらよいか判らないという国家安全保障の崩壊ということです。
日本の食糧自給率は四〇%と言われてきましたが、このように深く他国に依存しながら我々の暮らしを成り立たせて命の原点を確保するのが難しいことがわかったわけです。
そこで畜産農家の方たちがやっていけないというのを聞きまして、去る7月26日、第一回目の生産者の皆さんにきていただいて学習会を開きました。
さらにびっくりしましたが、私自身は農家との連携があり状況を少しはわかっているつもりでいましたが、畜産業界というところがよくわからなかった。
実にいろいろな問題を抱えているということと、一番ショックだったのは畜産と農業が連携していないということです。
飼料のかなりの部分が輸入されているとしても、少しは地場の農地で作られていると思っていました。
しかし連携されていないということは、まさに今要求されている環境問題の循環型というところが断ち切られたままこういう状況があったのだということが私にとって大きな問題として浮かび上がってきました。
テレビでも報道されましたが、日本の今の現状は消費者と生産者が断ち切られ、生産者同士も実は地域の中で断ち切られ、重要な食料という問題がアメリカの世界の食糧占領といいますか国家戦略のモデルケースとして日本の農政がそういう状況におかれてきている結果であったということです。
これはしっかりと根本的問題について考えなければいけないチャンスがきたと思っています。
本日は消費者そして生産者、たぶんこんな形で一同に会してお話をするのは初めてと思いますが、われわれの生物として人間の命を守るため、基本的原則論としては、自給ということが経済的に自立した国家の原則というのは頭でわかっていましたが、目先の解決だけでなく、きちんと解決するために消費者も考え、生産者も考えていくという輪を作って今後大きく農政を変えていく突破口にしたいと考えています。
すでに、生協のみなさん中心に生産者と流通と消費者が結びついていろいろな試みをされています。
水田を無くさない。
日本の気候風土にあった水田をつぶさずに、飼料米を育てながら畜産をいかし農業も生かしていく循環型の試みがされているわけですが、きょうは信岡先生から基調報告がありますが、それに大きな希望をもたらす超がつく多収飼料米が現にあるということで、これを使えば水田を生かしながら循環型農業が可能であるし、今まで畜産業者が依存しなければいけなかった外国からの飼料もかなりの部分賄われていく希望ある提案もあるかと思います。
そういうことを通じながら私達は実質的問題として政府にも提案していくという今後の問題につなげていきたいと思っています。
ここで議論されていくことを積み上げながら、次はできれば国会議員も参加して国会議論にしていただきたいと思いますが、非常に希望ある会議になると思います。
遠いところからまたお忙しいなかお集まりいただきましたことに実行委員会一同感謝申し上げまして、実りある会になりますよう心から祈っています。
本日はありがとうございました。
超多収飼料米が畜産・大パニックを防ぐ”シンポジウム
日 時 2008年11月28日(金)午後1時半~5時
場 所 エデュカス東京
千代田区二番町12-1JR四谷駅・市ヶ谷駅からどちらも徒歩7分、03(5210)3511
主 催 畜産・大パニック阻止実行委員会 共同代表:上原公子、清水鳩子
プログラム
1、飼料米生産を支援している生協からの報告
生活クラブ事業連合生協連合会(庄内みどり農協)
パルシステム生協連合会
東都生活協同組合
コープとうきょう(コープネット事業連合) *コープとうきょうは文書での報告。
2、特別報告、「超多収飼料米が日本の畜産と水田農業を救う」
東京農業大学農学部畜産マネジメント研究室、信岡誠治博士
3、シンポジウムと全体討論
パネラー
・畜産・酪農生産者⇒全国養鶏経営者会議、石澤直志会長及び畜産農民全国協議会代表
・超多収飼料米を耕畜連携で生産している稲作生産者⇒庄内みどり農協の飼料米生産指導
責任者
・消費者団体代表⇒全国消費者団体連絡会、蓮尾隆子運営委員
・飼料米生産支援の生協代表⇒生活クラブ事業連合生協連合会、加藤好一会長
・超多収飼料米の実践的研究者⇒東京農業大学畜産マネジメント研究室、信岡誠治博士
・コーディネーター⇒自然エネルギー研究センター、若狭良治 取締役・東京支所長
参考資料
20081112何故?今超多収飼料米シンポ第3回実行委の会場は新宿農協会館4Fです。
2008年11月12日 遠藤和生
・時間は5時半~7時半、農協会館4Fの(株)ゼンケイ会議室(⓷320―0086)です。
◎“自公政権は飼料米生産拡大の生消双方からの世論の高まりを逆手にとって「飼料米生産流通管理法」(仮称)を「農産物トレイサビリティ法(仮称)」と連動させて制定する準備を開始した”として信岡先生は注意を呼びかけています。
*情勢の急変を踏まえた論議が必要となっています。
各位、情報を持ち寄って論議しましょう!
・以下は前回実行委員会での確認事項です。
1、シンポの焦点
(1)4生協(連合会)が生産支援をしている飼料米(飼料用米)の報告がメディアの注目を引いている。⇒生協での飼料米生産支援の広がりが畜産生産 者への一定の励ましになっている のではないか?!
(2)畜産生産者と飼料米生産者との連携の広がりを示す動きがリアルに報告されれば逆に消費者の飼料米生産支援に弾みをもたらす好循環となる。
(3)上記の相乗効果が農水省の飼料米政策を抜本的に転換させるインパクトとなる。
*農水省にとっても汚染米の汚名を一定に挽回できる絶好のファクターとなる?!
⇒毎年4500億円が全国の水田農業に還流し、農業地域経済の再生に確実な貢献ができる。
しかも財政負担無しに。
◎従って、飼料の異常高騰分4000億円の全額を財政補填しても極めて有効な内需拡大策となる。
(4)その鍵となるのが汚染米の根源であるMA米輸入政策の即時返上と連動させた減反政策の廃止にあると考えられる。
2、シンポの進行について
・時間配分 :(1)生協の飼料米生産支援活動報告→45分、
(2)特別報告「超多収飼料米が日本の畜産と水田農業を救う」信岡誠治博士 →30分、
(3)シンポと全体討論 2時間30分
・呼びかけ人代表挨拶:上原公子さん(基調報告)
・閉会挨拶:清水鳩子さん(シンポのまとめと今後の行動提起)
・コーディネーター:若狭良治さん
○(1)生協からの報告及び(2)特別報告は海老沢恵子さんの司会で進行する。
*シンポのメインタイトルを「何故今、超多収飼料米なのか?!」、「畜産農家をつぶすな!」、「水田をよみがえらせろ!」 の三つとしてより分かりやすくしていく。
3、動員目標
・生協100名、一般消費者25名、生産者50名 、畜産業界・学会25名
*呼びかけ人は29名に増えたが、50名を目標として引き続き追求する。
⇒生活クラブ連合と東京南部生協で受託いただいたので、
パルシステム連合会と東都生協への要請を分担して急ぎ行なう。
○案内チラシは4、500枚作成し、4、000枚配布済み。
○500枚団体配布→生活クラブ連合、東京南部生協、家庭栄養研究会・全国消費者大会、生活舎(1000枚)、全国養鶏経営者会議・全農協労連、畜全協、*パルシステム連合会にも500枚配布した。
○100~200枚→有機農産物普及堆肥化推進協会(200枚)、中野区消団連、NPO法人 由木の里、主婦連、ワーカーズコープ旬、トキワたまごの会、千葉県長生地域畜振協、東京福祉環境会議等)
○その他鶏卵肉情報紙や自然エネルギー研究センターでの情報提供により5社から参加予約や問い合わせがあり、かなりの反響を呼んでいる。
他に日本科学者会議の学習研究会案内の11月号に掲載予定。
*パルシステム連合会と東都生協での協力が生協100名の参加実現の鍵となる!!
4、経費の捻出
・会場代4.5万、資料作成費5万、パネラー交通費5万 、計14.5万
*参加費500円×180名=9万→*5.5万は3生協連合会に支援要請する。
→引き続き要請するが、他の団体にも幅広く要請していくこととする。
*シンポの当日会場で参加者にもカンパを呼びかけるよう準備する。
5、呼びかけ人代表の増員について
代表を清水鳩子さん、上原公子さん御両人にお受けいただいたが、共同代表2名と加えて、1名の代表を生産者団体から全国養鶏経営者会議の石澤直士会長に要請することを確認した。⇒11/2承諾を確認
6、翌年初春に各政党代表を照準とする大討論集会開催を追求する件
1月下旬~2月上旬開催を目標にして、11・28シンポの当日には案内チラシを配布できるように準備していく事とする。
⇒会場を憲政記念館か衆参どちらかの議員会館で開けるよう然るべき政党の協力を得て追求していく。
100名程度の参加者での開催として追求する!
7、その他
◎シンポ実行委員会の名称を「超多収飼料米普及連絡会準備会」として進めていくことを確認した。
更に信岡先生から「超多収飼料米への問い合わせ対応窓口及び超多収米品種の種子の配布から超多収飼料米の生産と供給の橋渡しができる組織」を確立して欲しいとの要請を受け、それらの業務を担えるNPO法人の設立を準備して行くことを確認した。
○超多収飼料米、飼料用米、飼料用稲等用語が使用部署によって異なるので、信岡先生に用語の解説をお願いすることとする。