目次
- 農文協DVD つくるぞ 使うぞ 飼料米・飼料イネ1 飼料米編農文協DVD つくるぞ 使うぞ 飼料米・飼料イネ2 飼料イネ編
- 関連資料
- 飼料用米多収日本一表彰事業 の紹介と案内・報告
- コメ政策と飼料用米に関する意見交換会 総合案内(第1回~第9回)
- 参考資料
- 食料安全保障月報 20250430 MAFF
- 日本農業新聞 2025年3月25日[論説]飼料用米生産の意義 地域内循環の輪 絶つな
- 日本農業新聞 2025年5月3日 (憲法記念日)[論説]食料と憲法 農業こそ命の安全保障
- 日本農業新聞 2025年5月1日[論説]地域計画で見えた課題 食支える担い手確保を
- 全給連が国に緊急対策要望へ 給食用米値上がり受け
- 対米農畜産物の輸入 「盗人に追い銭」繰り返すな鈴木宣弘 日本農業新聞 コラム「今よみ」 2025年4月22日
- [論説]相互関税で日米交渉 農畜産物犠牲にするな
- [論説]学校給食米の値上がり 安定供給の仕組み急げ
- [論説]基本計画閣議決定へ 食料安保の具体化急げ
- [今よみ]輸出米と輸入米の危うさ国内供給こそ最優先 東京大学特任教授・名誉教授 鈴木宣弘氏
- [ニッポンの米]飼料用米作付けほぼゼロに宮城・JAいしのまき、補助減額で
農文協DVD つくるぞ 使うぞ 飼料米・飼料イネ1 飼料米編
農文協DVD つくるぞ 使うぞ 飼料米・飼料イネ2 飼料イネ編
| はじめに 2O15年は、家畜の飼料となる「飼料米・飼料イネ」の作付面積が大きく増え、純国産の飼料によって生産された畜産物が全国津々浦々に並び始めるかもしれない、記念すべき年になりそうです。 それは、これまでわずか30%にも満たなかった自給飼料が、お米を家畜の濃厚飼料として活用し、イネの穂と茎葉を丸ごと乳酸発酵させた粗飼料を活用することによって、ぐんと自給率がアップしようとしているからです。 すでに「こめ育ち豚」(山形県平田牧場)、「こめたま」(青森県トキワ養鶏)、「やまと豚米らぶ」(神奈川県フリーデン)、「豊の米卵」(大分県鈴木養鶏場) など、日本の米を飼料として活用した畜産物を、生協やデパートなどで目にするようになってきました。 2015年は、さらにその動きが加速します。 都会で暮らす人たちにとって、米を飼料として活用した畜産物が特別なものではなく、どこででも手に入れることができ、その味を楽しむことができるようになるスタートの年なのです。 イネを作るなという減反政策が始まって、もう半世紀近くになろうとしています。 この間、「多収」という言葉は影をひそめました。 しかし、時代は変わろうとしています。 超多収米品種が続々と生まれ、サイレージとしての能力が高い飼料イネ品種、そして、これまでに輸入飼料に頼った玄倒産から、米やイネのサイレージを活用する家畜の飼い方も開発されてきています。 この本を、これまで培ってきたイネづくりの技術を精-杯発揮してみたい稲作農家、そしてその心意気に感じて新しい家畜の飼い方を開発しようと取り組み始めたよ田産農家、その聞を取り持つJAや行政、飼料会社、そして、できることなら凶産の農産物をと願う消費者のみなさんにおくります。 農丈協では、計一界に譲るべき「水同」の力を最大限に発揮して、生産と活用に動き始めた農家を応援します。 水田フル活用にむけた「飼料米・飼料イネ」の生産と活用に動き始めた農家を応援します。 農山漁村文化協会 *本書は、DVD作品 『つくるぞ使うぞ 飼料米・飼料イネ』(全二巻)の副読本でもあります。ぜひ併せてご利用ください。 |




| DVD つくるぞ 使うぞ 飼料米・飼料イネ2 飼料イネ編 著者農文協 企画・制作 定価11,000円 (税込) ISBNコード9784540141812 発行日2015/03 出版農山漁村文化協会(農文協) 判型/頁数DVD 80分 在庫あり 農文協 公開書誌 >> 映像作品(DVD) >> ●畜産 農文協 公開書誌 >> 映像作品(DVD) >> ●稲作 【解説】 シリーズ第2巻は飼料イネ編。 畜産農家数件の大稲作地帯でも予約殺到する飼料イネづくりの秘訣、飼料イネを栽培・利用することで山間地でも田んぼと畜産を続けていける仕組みなどを紹介。コンタミの心配がない主食用米品種でも多収できる栽培法、牛に合わせたイネWCS給与のコツ、高価な機械なしでも飼料イネを利用できる便利器具、立毛放牧のやり方なども。 目次 DVDつくるぞ 使うぞ 飼料米・飼料イネ 第2巻 飼料イネ編 80分 ●目次(2部構成) パート1 飼料イネで地域が元気に ▼予約殺到! 売れるイネWCSをつくる 群馬県玉村町・農事組合法人 上陽WCS部会 23分 ▼飼料イネで山間地の田んぼと畜産を守る 茨城県大子町・大子アグリネットワーク 13分 パート2 栽培・給与の技術 栽培編 ~低コスト安定栽培のコツ~ ▼米じゃなくて茎葉を多収 コシヒカリの飼料イネ 新潟県 魚沼市・梅田潔さん 9分 ▼尿液肥で低コスト栽培 群馬県 前橋市・鼻毛石機械利用組合 8分 給与編 ~飼料イネを上手に使う~ ▼繁殖牛・肥育牛・乳牛に イネWCS給与のコツ 群馬県・小川恵弘さん/広島県・中山高一さん ほか 13分 ▼重たいロールを軽々 ラクラク便利器具 茨城県 大子町・大子アグリネットワーク 5分 ▼機械不要でラクラク牛飼い 飼料イネで立毛放牧 広島県 三次市・村本昭二さん 9分 解説(詳細) ■詳しい目次はこちら(PDF) ◆パート1 飼料イネで地域が元気に ▼予約殺到! 売れるイネWCSをつくる・・・群馬県玉村町・(農)上陽WCS部会 町内に畜産農家は数件しかない米麦二毛作の大水田地帯。それでも、近隣市町村に目を向ければ畜産農家はたくさんいる。畜産農家が欲しがるイネWCSとはどんなものか直接訪問して聞き、求められる品質に近づけるよう栽培・管理。「牛の嗜好性がいい」と絶賛され、町外からの予約が殺到するイネWCSができるようになっている。 ▼飼料イネで山間地の田んぼと畜産を守る・・・茨城県大子町・大子アグリネットワーク 小さな棚田が連なる山間地。高齢の稲作農家と数頭飼いの小規模畜産農家がほとんどだが、飼料イネの栽培面積が年々拡大。耕作放棄地を開墾して飼料イネをつくる人まで登場。手間がかからず、コストも安い飼料イネなら、まだまだ田んぼと畜産を続けられる。高い専用機械なしでも飼料イネをつくって使える方法も実践。 ◆パート2 栽培・給与の技術 栽培編~低コスト安定栽培のコツ~ ▼米じゃなくて茎葉を多収 コシヒカリの飼料イネ・・・新潟県魚沼市・梅田 潔さん コンタミの心配がない主食用米品種でも、つくり方を工夫すれば多収できる。秘訣は「米づくりじゃなくてイネづくり」。 ▼尿液肥で低コスト栽培・・・群馬県前橋市・鼻毛石機械利用組合 処理に困る牛の尿を液肥として利用。コストがかからず、水と一緒に流し込むだけなので散布もラクラク。 給与編~飼料イネを上手に使う~ ▼繁殖牛・肥育牛・乳牛に イネWCS給与のコツ・・・群馬県・小川 恵弘さん/広島県・中山 高一さん・岡田 正治さん・新舎 和久さん 肥育牛、乳牛、それぞれにうまく使って経営改善している畜産農家の給与法を詳しく紹介。 ▼重たいロールを軽々 ラクラク便利器具・・・茨城県大子町・大子アグリネットワーク ひとつ300kgもあるイネWCSのロールを専用機械なしでも放牧地で給与できる便利器具の使い方を紹介。 ▼機械不要でラクラク牛飼い 飼料イネで立毛放牧・・・広島県三次市・村本 昭二さん 飼料イネを刈り取らず、田んぼに牛を放牧して直接食べさせる立毛放牧。ラクラク低コストで牛が飼える。 YOUTUBEでサンプル動画をご覧いただけます。 同じジャンルの本 農文協 公開書誌 >> 映像作品(DVD) >> ●畜産 農文協 公開書誌 >> 映像作品(DVD) >> ●稲作 |
関連資料
飼料用米多収日本一表彰事業 の紹介と案内・報告
コメ政策と飼料用米に関する意見交換会 総合案内(第1回~第9回)
参考資料
食料安全保障月報 20250430 MAFF
日本農業新聞 2025年3月25日
[論説]飼料用米生産の意義 地域内循環の輪 絶つな
| 飼料用米の生産基盤が揺らいでいる。助成金の見直しや価格高騰により主食用米への揺り戻しが起こり、減産が見込まれるためだ。輸入に代わる国産の濃厚飼料として米農家と畜産農家、行政、JAなどが連携し、循環の輪を築いてきた。地域の耕畜連携を途切れさせてはならない。 国は米の消費減少に伴う米価浮揚を目指して、主食用米からの転換を促そうと2008年産から飼料用米に助成を開始し、生産を進めてきた。省力・多収栽培技術の確立で生産コストを抑え、耕畜連携の推進、飼料用米を給餌した畜産物のブランド化や、生産と実需の複数年契約による長期の安定的な取引拡大なども進めてきた。輸入に依存する濃厚飼料の国産化に向けた支援を続けた結果、22年産の飼料用米は過去最高の80万トンとなり、20年に閣議決定した食料・農業・農村基本計画で30年の生産努力目標として定める70万トンに到達した。 だが昨年12月、財務相の諮問機関である財政制度等審議会が、27年度以降の水田政策見直しに合わせて飼料用米を助成対象から除外することを提起、飼料用米産地に動揺が広がった。 国は飼料用米中心の生産体系を見直し、粗飼料である青刈りトウモロコシなどを振興する方針を示したが、「はしごを外された」と不信感を抱く産地もある。 濃厚飼料と粗飼料では、畜産農家にとって給与体系が全く異なる。 今回の見直しは、地域内循環の輪を壊すことはもちろん、畜産農家を軽視していると言わざるを得ない。 耕畜連携に先駆的に取り組んできた千葉県旭市は、飼料用米の生産量の8割以上を、畜産農家と耕種農家、行政でつくる組織が仲介し、畜産農家が利用している。 同市は強湿田地帯のため麦、大豆などの生産に不向きで、08年産から飼料用米への転換を本格的に進めてきた。 飼料用米を通じた地域内循環を生み出し、増産に前向きに取り組んできた。 飼料用米の生産は補助金があって成り立ち、産地からは「これまでの努力に水を差す」「補助金の削減には反対だ」との強い声が上がる。 主食用米の価格上昇で産地の増産意欲が高まり、農水省の25年産水田の作付け意向調査では、東日本を中心に19道県が前年と比べて主食用米の生産を増やす。 一方、飼料用米は前年と比べて1万4000ヘクタール減の8万5000ヘクタールと、増産する県はゼロとなった。 専用品種以外は国からの助成金が減額されることが大きいためだが、時間をかけて地域内で築き上げた耕畜連携の輪をここで壊すべきではない。 主食用米の高値が今後も続く保障もない。食料安全保障の観点から、飼料用米への支援拡充を求めたい。 |
日本農業新聞 2025年5月3日 (憲法記念日)
[論説]食料と憲法 農業こそ命の安全保障
| 「トランプ関税」が世界を揺るがす。 関税による報復の連鎖が続けば、戦後の自由貿易体制は瓦解しかねない。 日本の食と農への影響も計り知れない。 食の主権は、憲法の定めた「生存権」に直結する。 憲法記念日に、命の安全保障を考える。 トランプ米大統領が、自国の産業保護のために打ち出した関税強化策が、世界経済・金融の混乱を招いている。 背景には、世界1位と2位の経済大国、米国と中国の経済覇権争いがある。 互いに報復関税を掛け合う泥仕合の様相で、収束の気配は見えない。 先の主要20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、米国の一方的な関税措置が貿易摩擦の激化と世界経済の後退を招くとの危機感が示された。 加藤勝信財務相が深刻な懸念を表明したように「自由で開かれた多国間貿易体制」は今、大きな岐路に立つ。 こうした事態に、国際貿易のルールを定め、自由貿易の旗振り役を担ってきた世界貿易機関(WTO)が機能不全状態にあることも混乱に拍車をかける。 自国優先の貿易紛争の行き着く先は、保護主義の台頭とブロック経済による分断と対立、世界恐慌であり、第2次世界大戦へと突き進んだ歴史の苦い教訓を忘れてはならない。 資源小国の日本は、日米同盟を基軸に、食料やエネルギーの多くを海外に依存する。 米国の関税攻勢、農畜産物の市場開放圧力に加え、ウクライナ危機、対中関係悪化などの地政学リスクも加わり、日本の食と農を巡る状況はこれまでになく危うい。 日米貿易交渉で、主食の米、トウモロコシ、大豆のさらなる輸入拡大となれば、弱体化した生産基盤への致命傷となる。 とりわけ「米は農村の生命線」「命を交渉カードに差し出すな」と農家が憤るように、米の譲歩は日本農業に致命的な禍根を残す。 人、農地が減り続ける中で、政府は向こう5年間、「農業の構造転換」を集中的に進め、「国民一人一人の食料安全保障の確保」をうたうが、その国家戦略に逆行する市場開放は到底容認できない。 石破茂首相は「独立主権国家として食料の安全保障に配慮すべきは当然のこと」と国会の場で述べているが、日米交渉ではその本気度が問われる。 憲法の「生存権」は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(25条)のことを指す。 食料安全保障、食料主権はまさに「生存権」の裏付けとなるものだ。 今日の食料と農業の危機は、翻って国民一人一人の問題である。「国難」の今こそ、憲法の理念に立ち返り、この国の食と農の在り方を考える契機としたい。 |
日本農業新聞 2025年5月1日
[論説]地域計画で見えた課題 食支える担い手確保を
| 日本農業新聞 2025年5月1日 [論説]地域計画で見えた課題 食支える担い手確保を 地域農業の将来像を描く「地域計画」を全国各地で策定した結果がまとまり、3割の農地で10年後の耕作者を確保できていないことが分かった。 生産基盤の弱体化がさらに進む姿が浮かび上がり、食料安保が危ぶまれる。 担い手の確保は、地域だけでなく国民にとって焦眉の課題だ。 地域計画は、人と農地の将来方針。 10年後、誰がどの農地を利用するかを落とし込んだ目標地図などの策定が市町村に義務付けられ、3月末が期限だった。 策定を終えたのは、1613市町村の1万8633地区。 カバーする農地面積は424万ヘクタールに達する。 地域農業の現状への危機感と、次世代につなぎたいという生産現場の強い思いの表れだろう。 ただ、農水省によると、地域計画の多くは将来の農地利用の姿がまだ明らかになっていない。 今後も話し合いを続け、内容をさらに高めていくことが大事になる。 同省は、生産現場の意向を反映した地域計画を力に、農地の集積を加速する方針。新たな食料・農業・農村基本計画では具体的な指標も設けた。 担い手への集積率を、現状の6割から2030年度には7割に高める。 水稲を15ヘクタール以上作る経営体の面積シェアも3割から5割に上げる。 農地を団地のようにまとめる集約化や圃場(ほじょう)の大区画化、スマート農業技術の導入を強力に進め、広い面積を効率的にカバーできるようにしていく。 こうした方針は、担い手の減少を直視した対応策である。 しかし、あまりに減り過ぎた場合、地域農業を守り切れるのだろうか。 同省は、24年に111万人いる基幹的農業従事者が、40年ごろには30万人に急減するとの試算を示した。 ショッキングな見通しで、農村を維持できるか不安が大きい。 担い手減少に歯止めをかける努力が、同時に必要ではないか。 そのためには、安心して再生産でき、後継者に経営を託せるだけの十分な所得確保が鍵となる。 基本計画は、所得向上を実現する道筋として、生産性と付加価値の向上に加え、今回、適正な価格形成を柱に据えた。 この新機軸の政策に期待が集まる。 適正な価格の実現には、食を支える農業の価値を消費者が評価してくれるかが焦点だ。 米を巡る混乱では、価格の動きばかりに関心が集まり、安さを求める声も大きい。 本当の理解には程遠い。 地域計画も、理解のきっかけとしたい。 浮き彫りになった生産基盤の弱体化、先細る食の未来は、消費者にとって“自分ごと”である。 生産現場が地域計画を作り、動こうとしている今こそ、食と農を守る強力な政策が必要である。 |
全給連が国に緊急対策要望へ 給食用米値上がり受け
| 日本農業新聞 2025年4月17日 全給連が国に緊急対策要望へ 給食用米値上がり受け 47都道府県の学校給食会でつくる全国学校給食推進連合会(全給連)は、4月から給食用米価が大幅に値上がりしたことなどを受け、国に緊急対策を求める要望書の提出を決めた。 各学給会に要望内容の意向調査を行い、6月の総会で決議する。 全給連によると、意向調査は、全国6ブロックに分けてアンケート方式で行い、各学給会や自治体など調理現場が直面している課題を整理する。 国による学給無償化の具体的な内容や、無償化されるまでの間の米を中心とした食材の高騰対策、給食米の安定供給などが主な要望内容になると予想されている。 三橋一慶常務は「現行法では給食費が保護者負担となっているため、給食費を据え置いている自治体が多く、栄養教諭や学校栄養士など現場は大変な苦労をしている。地方創生推進交付金の継承も含め、あらゆる手だてを講じてほしい」と語る。 日本農業新聞が1~3月に47都道府県の学校給食会に行った緊急調査では、自治体に売り渡す本年度当初の給食米価格は前年同期比で1・3~2倍超に上昇。 各学給会は「値上げ額を7割程度に抑制し、来年度から10年かけて価格加算する」「等級を下げた」「栄養バランスや質を保った食事の提供が難しくなっている」など深刻な影響を明らかにした。 (栗田慎一) |
対米農畜産物の輸入 「盗人に追い銭」繰り返すな
鈴木宣弘 日本農業新聞 コラム「今よみ」 2025年4月22日
[論説]相互関税で日米交渉 農畜産物犠牲にするな
| 日本農業新聞 2025年4月17日 [論説]相互関税で日米交渉 農畜産物犠牲にするな 貿易不均衡を正す米国トランプ大統領による「相互関税」に絡んだ日米交渉が始まる。 自動車や鉄鋼などと引き換えにした農畜産物のこれ以上の市場開放は許されない。 食料安全保障の確保や日本農業の存続が危うい中、国民の命と食を支える農業、農村を米国に譲り渡してはならない。 米国の「相互関税」は、貿易相手国の関税と、検疫などの非関税障壁を考慮して設定されたとみられる。日本は24%となった。 米国は9日に発動したが、直後に翻し、90日間停止して交渉に応じる姿勢を見せた。 日本政府は、担当の赤沢亮正経済再生相を派遣し、ベッセント米財務長官やグリア米通商代表部(USTR)代表との交渉に臨む。 閣議決定した食料・農業・農村基本計画に反することなく、毅然(きぜん)と対応すべきだ。 米国の貿易赤字は、2024年に過去最大となった。 製造業や雇用縮小への危機感は理解できるが、米国がこれまで進めてきた自由貿易の帰結に他ならない。 一方的に関税を課すのは、身勝手と言うほかない。 世界貿易機関(WTO)協定にも違反する。 トランプ大統領は、障壁の例として日本の輸入米制度を引き合いに出したが、認識不足も甚だしい。 日本は1993年のウルグアイ・ラウンド(多角的貿易交渉)実質合意に基づき、ミニマムアクセス(最低輸入機会=MA)米を、米国などから関税をかけず年間77万トンを輸入し続けている。 第1次トランプ政権時に結んだ日米貿易協定の共同声明では「協定が誠実に履行されている間、本共同声明の精神に反する行動を取らない」としてきた。 トランプ大統領は今こそ、この声明を思い起こしてほしい。 米国の対日貿易赤字は、自動車や自動車部品などが大半を占める。 農畜産物が市場開放された背景には、自動車などが引き起こした貿易摩擦がある。 80年代には牛肉・オレンジ、雑豆などの12品目の輸入数量制限の撤廃を迫られ、ウルグアイ・ラウンドや環太平洋連携協定(TPP)交渉のたびに、農畜産物が譲歩を迫られてきた。 結果、日本の食料自給率は38%(カロリーベース)と先進国で最低水準に低迷、農業の基盤は急速に弱体化している。もう限界である。 各国が経済優先の自国主義を見直さない限り、貿易戦争を回避できない。 日本政府が主張すべきは、各国が「共生」できる貿易制度の構築である。 交渉は、世界が安定する新しい貿易ルールを話し合う契機とすべきである。 「相互関税」から日本だけを除外してもらうような交渉姿勢では、根本的な問題は解決しない。 |
[論説]学校給食米の値上がり 安定供給の仕組み急げ
| 日本農業新聞 2025年4月15日 [論説]学校給食米の値上がり 安定供給の仕組み急げ 学校給食向けの米価が4月、前年同期比で最大2倍超も値上がりした。各地で米飯給食の回数や副食、デザートを減らすなど児童らに深刻な影響が広がる。地場産農畜産物の活用も後退する懸念がある。 2026年度からの学給無償化に向け、政府は安定供給へ早急に対応すべきだ。 給食用米の大幅な値上がりは、47都道府県の学校給食会に日本農業新聞が1~3月に行った緊急調査で判明した。 回答したのは9割超に当たる43の学給会で、自治体への米の売り渡し価格の上昇は昨年秋から始まり、25年度当初は1キロ当たり707円~400円とこれまでにない高価格帯となった。 最低価格の400円は、24年度当初の最高価格(399円)を上回り、全国の自治体に衝撃を与えた。 文部科学省によると、学校給食は1食当たり平均250円前後と低く抑えられている。 学校給食法で食材費に当たる給食費を原則「保護者負担」としているためで、給食の実施主体である自治体が値上げをためらう原因となっている。 同法が制定された1954年は、国が米価を管理していた食糧管理法(95年廃止)下の時代で、今回のような米の大幅な価格変動は想定されていなかった。 政府からの交付金や補助金で値上がり分を補填する従来の手法は問題を先送りするだけだ。 給食無償化を踏まえ、まずは学校給食法を見直すべきだ。 全国の小中学生のうち、給食実施校で学ぶのは96%に当たる約886万人。 本紙で試算したところ、全員が給食で米飯を食べるには1日824トンの米が必要となる。 米飯を週4回実施するならば、24年度全国主食用米作付面積の1・8%分、週3回では1・3%分が必要となる。 作付け全体で見ればわずかな面積だが、「令和の米騒動」以来、新米の時期までの半年分を確保できない学給会は多い。 半数以上で仕入れ先との調整・交渉が長引き、特に米の消費量が生産量を上回る東京や静岡などの消費県では、3月下旬に政府が備蓄米を放出するまで価格決定を待たなければならなかった。 今回の学給米値上がりを受け、全国の調理現場では米飯給食の回数を減らしたり、おかずの食材を安価なものに変えたりする動きが広がる。 西日本の栄養教諭は「地場産農産物を使った給食が、価格を理由に使いづらくなっている」と語る。 このままでは給食をきっかけにした地産地消や有機農業が後退しかねない。 学給史70年の転換点となる国の無償化は、「ただであれば何でも良い」というのではない。 食で子どもの成長を支える安定供給の仕組みを構築し、地域農業の振興につなげる発想が必要だ。 |
[論説]基本計画閣議決定へ 食料安保の具体化急げ
日本農業新聞 2025年4月7日
[論説]基本計画閣議決定へ
食料安保の具体化急げ
政府は、新たな食料・農業・農村基本計画を近く閣議決定する。輸入資材の高止まりや温暖化、自然災害が頻発する中、国民の命を支える食料安全保障の確保は急務だ。弱体化する生産基盤を今後5年間でどう立て直すのか、産地が希望を持てるビジョンを示してほしい。
新たな基本計画は、食料自給率の目標だけでなく、農地の確保や食料の備蓄、肥料の安定供給など食料安保に関わる数多くの目標を設定した。
目標倒れで終われば、基本計画そのものの存在意義も問われかねない。進捗(しんちょく)状況を確認・検証し、適切に政策に反映させる必要がある。
特に高齢化で急減する担い手や、農地の維持・確保に向けた対応を強く求めたい。
基本計画に基づく水田政策の見直しや、農産物の適正な価格形成の仕組みといった農業政策の議論も本格化する。
水田政策は2027年度からの見直しに向け、制度の詳細を25年度中に決める方針だ。「水田活用の直接支払交付金(水活)」は、水田を対象とする対策から、田畑を問わず作物ごとに支援する仕組みに見直す。生産現場には、対象が畑に広がることで、支援の水準が現行より下がるのではないかとの懸念も広がる。
弱体化が進む国内の農業基盤をどう強化し、担い手を確保するのか。中長期的な視点に立った政策を求めたい。
安心して農村で暮らせる施策も必要だ。
農水省は、中山間地域等直接支払制度を拡充する方針。27年度に新設予定の環境直接支払制度は、みどりの食料システム法に基づく仕組みにし、支援の対象や水準を今後、具体化する。
国際情勢や気候が不安定化する中、収入減少などに対応した万全なセーフティーネットの構築も喫緊の課題だ。
こうした政策を具現化するには、十分な財源確保が重要となる。
衆参の農林水産委員会は基本計画を巡る初の決議を全会一致で採択、食料安保に関わる予算の「別枠」確保を政府に求めた。
自民党も食料安保強化本部などの決議で、農地の大区画化、共同利用施設の再編・集約化などを柱に、既存事業とは「別次元」で大規模予算を確保するよう要請。
与党内には、予算確保の「5カ年計画」を求める声が強まる。
政府は、防衛費を27年度までの5年間で43兆円、防災・減災対策などを強化する国土強靭(きょうじん)化は26年度以降の5年間で事業規模20兆円超を確保する目標を掲げる。
農業・食料安保でも、中期的な予算確保の方針を明確にするべきだ。
予算編成の指針「骨太方針」の策定に向けた議論で具体化を進め、農家が展望を描ける方策を示してほしい。
[今よみ]
輸出米と輸入米の危うさ
国内供給こそ最優先
東京大学特任教授・名誉教授 鈴木宣弘氏
日本農業新聞 2025年3月18日
米輸出を8倍に増やすという目標が発表された。
しかし、国内の米不足が深刻化しているときに、まずやるべきは国内供給の確保ではないか。
「米は足りている。悪いのは流通」という「流通悪玉論」は本末転倒だ。
「米の供給が不足しているため流通に混乱が生じている」ことを認め、「あと5年で米を作る人がいなくなる」と漏らす地域が続出している中で、農家が安心して増産できる政策を早く示さないと間に合わなくなる。
しかも、輸出向けの作付けには10アール当たり4万円の補助金が支給される。ならば、国内の主食米の生産にこそ10アール当たり4万円の補助金を支給して、国内生産の増加を誘導すればよいというのは明白だ。
そして、必ず出てくるのは、規模拡大してコストダウンしてスマート農業と輸出の増加で未来は明るいという机上の空論だ。規模拡大してコストダウンすることは重要だが、日本の農村地域を回れば、その土地条件から限界があることは明白だ。100ヘクタールの経営で田んぼが約400カ所に分散する日本と目の前1区画が100ヘクタールの豪州とは別世界だ。輸出市場も簡単に拡大できない。
中山間地域は、全国の耕地面積、総農家数、農業産出額の各4割を占める。大規模化とスマート農業でカバーできる面積は限られている。それができずに疲弊している条件不利地域で無理に農業をして住み続ける必要はないという暴論もある。
それでは、国民への米供給は大幅に不足するし、日本各地のコミュニティーが崩壊して国土と環境、人々の暮らし、命は守れなくなる。
地域の疲弊は止められないのではなく、これまでの無策の結果だ。政策を改善して未来を変えるのが政府の役割だ。集落営農で頑張っている地域もあるし、消費者と生産者が一体的にローカル自給圏をつくろうという「飢えるか、植えるか」運動も筆者のセミナーもきっかけに広がりつつある。
一方で、輸入米が増えている。前のトランプ政権で日本は「盗っ人に追い銭」で25%の自動車関税を許してほしいと牛肉・豚肉を差し出した。積み残しは米と乳製品だ。国は自動車関税阻止のために米国に差し出す農産物リストを作成している。
これが進めば、米生産の崩壊が早まり、国民の飢餓のリスクが高まる。安易に輸入に頼る落とし穴にはまってはならない。

日本農業新聞 2025年3月9日
[ニッポンの米]飼料用米作付けほぼゼロに
宮城・JAいしのまき、補助減額で
25年産で飼料用米の生産が大幅に減少するJAいしのまき管内(宮城県石巻市で)
宮城県有数の米産地であるJAいしのまきが、飼料用米の作付けを2025年産でほぼゼロにすることが分かった。24年産では650ヘクタールを作付けしていた。専用品種以外は国からの助成が減額されるようになったためで、他の米産地でも飼料用米の作付けを減らす動きが出ている。
JAの水田面積は1万1385ヘクタール。飼料用米は、国が支援措置を拡充した14年産以降、主食用途でも使える一般品種で生産を増やし、近年は600ヘクタール以上の栽培実績があった。
24年産から、専用品種で作付けしないと10アール当たりの補助単価が年間5000円ずつ減る仕組みが導入された。JAは24年産は減額分を農家が積み立ててきた基金で補填(ほてん)したが、25年産は財源不足で難しいと判断。飼料用米の生産分を主食用米や輸出用米に切り替える方針を決めた。
JAでは、主食用米とのコンタミ(異品種混入)の恐れがあり、専用品種への切り替えは難しいとしている。管内の大半の水田で米、麦、大豆のブロックローテーションを行っており、「一度でも専用品種を使えば再び主食用米が生産しづらくなる」と説明する。
同県内では、米主産地であるJAみやぎ登米、JA新みやぎでも24年産より飼料用米の作付けが減る見込み。これまでJAから飼料用米を受け入れていたJA全農くみあい飼料の担当者は「生産の不足分は、輸入のトウモロコシや麦で代替せざるを得ない」としている。




