第9回 コメ政策と飼料用米に関する意見交換会2024 報道記事特集

2024年12月10日

月刊 『日本の進路』 387 388 号 (2025年1月号) 最新情報のいくつかを紹介しています。

鶏鳴新聞 関係記事紹介ページ

鶏鳴新聞 2025年1月5日
日本のコメ政策など議論
『瑞穂の国』守りたい
飼料用米振興協会


(一社)日本飼料用米振興協会(海老澤恵子理事長)は12月5日、東京都中央区の食糧会館で『第9回コメ政策と飼料用米に関する意見交換会』を開いた。
海老澤理事長は同振興協会について、飼料用米の普及が食料自給率の向上や水田保持、持続可能な農畜産業の継続に欠かせないため活動していると改めて紹介。
今夏以降の『コメ不足問題』は、多くの消費者にとって改めて国内農業と水田の価値を考えてもらう契機になったと述べた。
 一方、改正後の食料・農業・農村基本法などの農政面については「食料自給率が単なる指標の1つとされ、国は農地の集約化と大規模化、水田の畑地化を推進しようとしている。また、財務省は飼料用米に対する交付金を引き下げ、水田政策の交付金も外そうとしていることが分かった。これでは水田がなくなってしまうと大変危惧している」との危機感を示して開会した。
 信岡誠治理事は、米の収穫量は1967年のピーク時は約1426万トンであったが、2024年には約734万5000トンまで半減しているとし、国は本格的な『廃田政策』に舵を切ったのではないかとの見方を提示。
水田には水をため込む『あぜ』があるが、これを畑地化し、大型トラクターが走りやすいようにとあぜを壊し、水路もなくしてしまうことは将来に禍根を残すと強調した。
その上で「水田を水田として生かして使うことのできる『飼料用米の増産』が食料安保の要にもなる。その信念で我々は政府からの補助金なしで地道に活動を続けている」と話した。
 また信岡氏は、水田の価値を見直してもらうためのアイデアとして、自身の少年時代、農閑期の田んぼでは草野球を楽しんできたとの思い出を交えながら「農閑期には田んぼを開放し、子どもや地域の人たちの遊び場にしていこう」と提案。
実際にサッカー教室などが開かれている地域もあると事例紹介した。
さらに米の使い道も食用や家畜・ペットの飼料用に限らず、甘味料の原料用、燃料用、工業用などもっと幅広く活用できるとし、わら、ぬかなども貴重な有機資源として商品化を図れるとした。
 意見交換会では飼料用米の使用、流通、消費、報道の各分野にかかわる4氏が発表。
㈱木村牧場(青森県/養豚)の木村洋文社長、日本放送協会(NHK)の佐藤庸介解説委員、コメ専門ライター(元米穀新聞記者)の熊野孝文氏、生活クラブ連合会の村上彰一会長が飼料用米の価値や、生産・流通を取り巻く諸情勢を報告。
 このうち木村社長は飼料用米のメリットを
⓵国内産のためカビ毒事故がほぼない
⓶為替の変動(円安)に左右されない
⓷地産地消で輸送コストが安い
⓸肉の食味が良く脂質がまろやかになる
⓹日本で唯一自給できる飼料作物である――と説明。
デメリットは、主食用米と競合することや、現状では国の財政負担がかかることとした。
 会場内の全員が発言できる討論会では、信岡理事が㈱秋川牧園の村田洋次長(㈱ゆめファーム取締役農場長)に対し「山口市での国産子実トウモロコシの生産状況は?」と質問。
村田次長は、北海道と比べると思ったほどの収量は取れていないとし、「水田での生産となっている。山口は台風や豪雨などの自然災害も多く同時に病害虫やカビの被害が出やすいと聞いている。鳥獣害の被害があり、台風も多い山口市では一度倒れてしまうと刈り取りにくい。山口市の昨年の取り組みは計約17ヘクタール程度で、今年は倍増を予定して35ヘクタールほどで取り組んでいるようだが、まだまだ水田だけに課題は多い手放しで喜べる収量とは言いがたい」と答えた。
 会場内では出席者同士が意見交換する姿もみられ、農畜産関係者からは「畑地には水田や水路ほどの維持費がかからず、国もその場しのぎというか、予算がかからないとの理由で畑地化政策を選んでいるように感じる。そこに長期的な視点はあるのか」「日本人にとって食事の基本はコメ。そこだけは輸入頼みではいけない。いまの方針を進めると、最終的に消費者が苦しんでしまうと思う。関係者だけでなく、消費者にそのことを知ってもらいたい。日本の水田を守るには消費者の声が必要」などの声が聞かれた。
 同振興協会の若狹良治事務局長が閉会の辞で「私は国粋主義者ではないが、ここで瑞穂の国を滅ぼしていいのか。これは国産子実トウモロコシを否定しているのではなく、北海道や、高地の乾いたような場所でないと作りにくいということだ。コメは食用米、飼料用米だけでなく、いまは餅も年中売れる時代となっている。やはり日本にはコメであり、適材適所が大切と考える」との閉会の辞で散会した。
財務省の新たなコメ政策で活発な意見交換会開催
日刊毎日経済通信
令和6年(2024)12月9日(月曜日)第13810号

財務省の新たなコメ政策で活発な意見交換会開催

(一社)日本飼料用米振興協会は十二月五日、午後一時より、東京・日本橋の食糧会館会議室において、「第九回コメ政策と飼料用に関する意見交換会2024」を開催した。
同意見交換会では、日本飼料用米振興協会海老澤惠子理事長の開会あいさつの後、「日本の米はどうなる今後の取組に求められるものは何か?」を課題に、五名のパネラーから話題提起が行われた。
これについて、テーマとパネラーは次の通りである。
①私たちの想い=日本飼料用米振興協会信岡誠治理事。
②飼料用米を使う立場からみて、これからの五〇年後を思うこと=青森県つがる市・㈱木村牧場木村洋文代表取締役社長。
③主食用米高騰にみるコメ政策のゆがみと七年産米予想=熊野孝文コメ専門ライター(元米穀新聞記者)。
④この夏のコメ問題を報じたか=NHK解説委員室佐藤庸介解説委員。
⑤生活クラブの飼料用米の取り組みと食料自給率向上に向けて=生活クブ事業連合生活協同組合連合会村上彰一会長。
続く意見交換会では、「激変するコメの需給と経済環境の変化に対応したコメ政策のあり方と今後の飼料用米の展開方向について」をテーマに、食料の安定確保の面で、財務省の常識では考えられない新たなコメ政策を中心に、パネラーそれぞれの立場から発言が行われた。

飼料用米は水田守る要
「水活から除外」の財政審建議に怒り

飼料用米振興協会の意見交換
JAcom農業協同組合新聞 2024年12月9日

 2024年12月5日、飼料用米振興協会がコメ政策と飼料用米に関する意見交換会を開き、農家、生活クラブ生協の代表らは飼料用米の重要性を訴えた。
 財務相の諮問機関・財政制度等審議会が建議で「水田活用の直接支払交付金」から飼料用米を外すよう求めたことには、怒りと批判があがった。

写真:飼料用米振興協会が開いたコメ政策と飼料用米に関する意見交換会ではホットな議論が交わされた
(12月5日、食糧会館=東京都中央区)


12月5日、コメ政策と飼料用米に関する意見交換会が開かれた。
主催は(一社)日本飼料用米振興協会。

飼料用米は安全装置

 青森県で養豚を営み年3.5万頭出荷している木村牧場の木村洋文社長は、
 「12年ほど前から飼料用米を使っているが、肉の食味が改善される良い飼料だ。輸入トウモロコシと違ってカビ毒がほぼなく、為替に左右されず、輸送コストも安い。飼料用米が米農家の安全装置として機能した」
と話した。

コンビニベンダーも「未だ不足」の異常

 コメ専門ライターの熊野孝文氏(JAcomに「熊野孝文・米マーケット情報」連載中)は、
「先日の農水省・米産業の意見交換会で、年間20万トン米を使う大手コンビニのベンダーが『未だに5万トン不足している』と言った。大変なことだ。このままでは今年もコメ不足が起こる」
と警鐘を鳴らした。

◆「冷静な報道」にジレンマ

 NHKの佐藤庸介解説委員は「コメ不足をテレビが煽ったのではないか」という問題を検証。
 「ニュースは全体として状況の後追いだった」
 と振り返り、
 「われわれは『煽りたくない』と思い農水省の見解も伝えたが、消費者からしたらスーパーにコメがなく、『報道は国の言い分を垂れ流しているだけ』と思ったのではないか。『冷静な報道』が実態と乖離するジレンマも感じた。当局や、系統も含めステークホルダーの情報の出し方にも課題があったのではないか」
と述べた。

◆消費者にも買える限度

 生活クラブ事業連合生協協同組合連合会の村上彰一会長は、
「私たちは食料自給の旗を降ろすつもりはない。生活クラブの畜産生産者に飼料用米利用を呼びかけ、年間2.2~2.3万トン利用してきた」と取り組みを説明。主食用米については、「価格転嫁は必要と思うが、消費者にも(買える)限度がある。生産者と消費者とが話し合い、協力していきたい」
と語った。

◆製販連携にも環境保全にも効果

 会に参加していたJA全農・くみあい飼料の谷清司さんは、
「飼料用米は今日までよく定着し、製造と販売の連携作りに役立った。新しいコメの品種開発も進んだ。コメは日本で一番作りやすい作物で、主食用だけでなく畜産の餌原料も全部賄えるだけの生産が国内でできるのではないか。(田んぼがあることで)環境保全も水の流域保全もできる。飼料用米がなくなると困るので、みんなで残していきたい」
と発言した。

◆水田を水田として活かす

 コーディネーターを務めた同協会の信岡誠治理事は、
 初めに、「財政審は水田活用の交付金から飼料用米を外せと言い、政府は2024年度から『手切れ金』を払う廃田政策に舵を切ったが、それでいいのか。水田を水田として活かして使う飼料用米増産こそ、食料安保の要となる」と力説した。

「令和の米騒動」招いた農政に批判
「需要減ありき」の政策もう限界

飼料用米振興協会の意見交換
JAcom農業協同組合新聞 2024年12月9日

 「年10万トンの需要減」を所与の前提とし、ひたすら生産を抑えて価格維持を図る政策はもう限界ではないか。
 飼料用米振興協会の意見交換会では、「令和の米騒動」を招いたコメ政策に批判が相次ぎ、政策転換を求める多様な意見が出た。

発端は茨城での集荷競争

 足元の米価高騰について、コメ専門ライターの熊野孝文さんは
「しょっぱなは茨城県だった。大手ディスカウントショップがコメの集荷部隊を作りチェーン店が対抗、あっという間に2万6000円になった。庭先価格が上がったのは、確実に儲かると、コメのプレーヤーがすごく増えたから。24年産米は、餌米は40%減ったのに主食用米の検査量は増えていない。農水省が言うほど獲れていないのではないか」
と指摘した。

 青森県の養豚農家・木村洋文さんは
 「産地にはいろいろな業者も来ていて、検査を通していない米が相当あるのではないか。農家が抱えている米もあると思う。畑を田に変える動きもあり、2~3年すると落ち着くのではないか」
 との見方を示した。

政府備蓄米放出はあるか
 会に参加した首都圏の集荷業者が「このままいくとコメが足りないという意見が圧倒的だ」とし「市場には介入しないという農水省の建前もあるが、政府備蓄米放出は本当にやるのか」と質問すると、熊野さんは「私が決めるわけではないが、備蓄米を放出せざるを得ない状況になっていると思う」と答えた。

「高騰で利益」しっぺ返しも

 米価高騰が消費減退を招くリスクについて、生活クラブ連合会の村上彰一会長は
 「生産者が持続可能な生産をすることが一番大切だと思う。その価格がどこなのか、きちんと知りたい。主食なんで、市場の需給だけで決まるべきでなく、妥当な水準はあると思う。あまり極端に上がって儲かったというような感覚でいるなら、どこかで痛い目に遭うんじゃないか」
 と語った。

需給変化に弱すぎるコメ政策

 それを受けてNHKの佐藤庸介解説委員は、
 「村上さんが言ったように、再生産費が賄え消費も冷やさないマイルドな上がり方が良かったが、こんな急激に上げたら消費者は反応する。需要が年10万トン減ることを所与の条件に、需給をタイト目にして米価を維持するために仕組んでいるので、需要がちょっと予想より上振れしたくらいでこんなこと(コメ不足)になってしまう。これでは需要が冷え、生産者がしっぺ返しを食う」
 と説明した。

米価は市場任せがいいか

 村上さんは「生産現場を消費者が知れば状況は変わるし、価格の問題についても理解が深まっていく。
 農家が経営を続けられるには、小売価格にコストを転嫁するだけでなく一定の(所得)補償が必要なんじゃないか」と提言すると、熊野さんは「供給量を絞って価格を上げる政策は早急に止め、先物市場活用も含めコメの値段は市場に任せる。暴落したら、生産者に直接補償すればいい」と応えた。

生産性向上、需要増にも伸びしろ

 熊野さんが「ドローン活用など生産性向上も、需要拡大もまだまだ余地がある」と語ると、
 佐藤さんは「私も、とにかく需要を伸ばさないとダメなんじゃないかと思う。再生産は可能な水準を担保しながら今の価格は下げないと需要が減ってしまう。反収増やコスト削減もタブーなく注力すべき。十勝の畑作も取材したが、農家所得向上をもっとシンプルに考えていた。コメ政策も発想の切り替えがいるのでは」
 と問いかけた。

飼料用米は良い飼料 国内で生産を
養豚農家・木村洋文さん
JAcom農業協同組合新聞 2024年12月9日

日本飼料用米振興協会が12月5日に開いた意見交換会で、青森県の養豚農家、木村洋文さんは「(国産の)飼料用米は良い飼料で、米農家の安全装置でもある」と語った。以下は発言要旨。

養豚農家・木村洋文さん

12年ほど前から飼料用米を使っているが、肉の食味が改善される良い飼料だ。
輸入トウモロコシと違ってカビ毒がほぼなく、為替に左右されず、輸送コストも安い。
トモロコシは今後どんどん輸入できるのか。
国内で備えた方がいい。
飼料用米は米農家の安全装置として機能した。
財務省は国の負担を気にしているようだが、今年は飼料用米が激減した。
主食用米が高いからだ。
今後、稲作も大規模化が進むと手をかけられないので、30%くらいは飼料用米を作るのがいい。
飼料用トウモロコシは東北でも少しずつ作られているが、カビや乾燥コストの問題がある。
北海道とか高原、太平洋側の山の上とかでなければ厳しいのかなと思っている。

このままでは今年もコメ不足に 政府備蓄米放出、検討を
コメ専門ライター・熊野孝文さん
JAcom農業協同組合新聞 2024年12月9日

日本飼料用米振興協会が12月5日に開いた意見交換会で、コメ専門ライターの熊野孝文氏(本サイトに「熊野孝文・米マーケット情報」を連載中)は「このままでは今年もコメ不足が起こる」と警鐘を鳴らした。以下は発言要旨。

外食に国産米離れの動き

 あるパックご飯業者は商社と組んで、ハイブリッド種子をドローンで乾田に直播し10万俵生産しようとしている。
 年間1万3500トン米を使ってきた有名なスパゲティ屋は、来春メニューを全部変えコメ使用を減らす。有名外食店にも外米に変える動きがある。

「確実に儲かる」増えたプレーヤー

 先日の農水省・米産業の意見交換会で、年間20万トン米を使う大手コンビニのベンダーが「未だに5万トン不足している」と言った。大変なことだ。
 このままでは今年もコメ不足が起こる。
 コメの庭先価格が上がったのは扱うプレーヤーがものすごく増えたから。
 増えたのは確実に儲かるからだ。小型低温倉庫の販売も増えたという。
 24年産米は、飼料用米は40%減ったのに主食用米の検査量が増えていない。
 農水省が言うほど実際は獲れていないのではないか。

市場任せ+直接支払いで

 コメ政策を変えないと、日本の生産は崩壊する。
 生産調整を進め供給量を絞って価格を上げる政策は早急に止めないとダメだ。
 コメの値段を市場に任せる。先物市場も利用すればいい。
 市場任せでは暴落するんじゃないかというけど、暴落したって心配ない。
 石破総理が(農相だった)2009年にシミュレーションをしている。
 コメの値段が1俵7000円になっても所得補償に3500億円つぎ込めば農家はやっていけると。
 総理になったんだから米農家への所得補償をEU並みにすればいい。
 2009年から物価が上がっているとしても5000億円もあれば足りる。
 ドローンの技術はどんどん上がり、棚田でも種を打ち込んでいく。
 生産性向上も期待でき、工業利用も含め需要もいろいろ拡大できる。

煽らぬよう自制したがジレンマも
コメ不足報道検証すると

佐藤庸介NHK解説委員
JAcom農業協同組合新聞 2024年12月9日

 日本飼料用米振興協会が12月5日に開いた意見交換会で、NHKの佐藤庸介解説委員は
「不安を煽らぬよう冷静な報道に努めたが、ジレンマもあった」とコメ不足報道を振り返り、コメ政策への意見も述べた。以下は発言要旨。

8月下旬からニュース急増

 「コメ不足をテレビが煽ったのではないか」といわれる問題を考えたい。
 民放の報道については詳しくなくコメントする立場にないが、NHKのニュースは全体として状況の後追いで、先んじて煽ったわけではなかった。
 ニュース量が急増したのは8月下旬からで、全国のスーパーでコメがなくなり騒がれ始めた後だ。
 それが9月まで続いた。
 当局、系統の情報発信にも課題
 われわれは「煽りたくない」と思い農水省の見解も伝えたが、消費者からしたらスーパーにコメがなく、「報道は国の言い分を垂れ流しているだけ」と思ったのではないか。
 「冷静な報道」が実態と乖離するジレンマも感じた。
 当局や、系統も含めステークホルダーの情報の出し方にも課題があったのではないか。
 当局には、より積極的なコミュニケーションを求めたい。

急な高騰、消費冷やす恐れ

 米価は、再生産費が賄え消費も冷やさないマイルドな上がり方が良かったと思うが、こんな急激に上げたら消費者は反応する。
 需要が年10万トン減ることを所与の条件に、需給をタイト目にして米価を維持するために仕組んでいるので、需要がちょっと予想より上振れしたくらいでこんなことになってしまう。
 政策の枠組みがあまりにも需給の変化に弱すぎる。
 「農政当局はやっぱり生産者しか見ていない」と言われても仕方がないし、需要が冷え生産者がしっぺ返しを食う。

消費者にも買える限度が
政府には直接支払い要請

村上彰一生活クラブ連合会会長
JAcom農業協同組合新聞 2024年12月9日

 日本飼料用米振興協会が12月5日に開いた意見交換会で、
 生活クラブ連合会の村上彰一会長は米価高騰について
 「消費者にも(買える)限度がある。持続可能なコメづくりへ、生産者と話し合いたい」とし、政府にはコメ農家の所得補償を求めていると話した。以下は発言要旨。

飼料用米を年2.2~2.3万トン利用

 私たちは食料自給の旗を掲げてきたし、降ろすつもりはない。
 生活クラブの畜産生産者に飼料用米利用を呼びかけ、年間2.2~2.3万トン利用してきた。
 生活クラブと酒田の平田牧場、山形県遊佐町の米農家が協力し、水田で飼料用米を作り豚に与えたのが始まりで、鶏や牛にも広げてきた。

24年産米は前年比132%で契約

 主食用米については、24年産では、契約価格は前年比132.1%の60キロ2万1000円、組合員価格は5キロ2000円台に何とかとどめた。
 価格転嫁は必要と思うが、消費者にも(買える)限度がある。
 生産者と消費者とが話し合い、協力していきたい。

互いを知ることから

 消費者は生産者のことを知らず、生産者は消費者のことを知らない。
 そこが課題かなと思う。
 多くの生協では生産現場を見に行くとか、生産者の方がこちらに来て店頭に立って話をするとかさまざまなことをしている。
 その繰り返しの中で状況は変わってくるし、価格の問題も理解が深まっていくのではないか。

米農家への所得補償、政府に要請

 (生活クラブなど)6生協提言の基本にあるのは農家の人たちがちゃんと経営をして食べていける水準のお金が農家に入らないいけない。
 そのためには、小売価格にコストが価格転嫁されるだけでなく一定の所得補償が必要なんじゃないかというのが肝だ。

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飼料米助成の削減「全く考えず」
主食米回帰に懸念 参院予算委で
 
日本農業新聞 2024年12月7日

 江藤拓農相は6日の参院予算委員会で、主食用米から飼料用米に転作した場合の助成の引き下げは「全く考えていない」と述べた。
 助成の削減や廃止を求める財務省に反論した格好。
 主食用米への回帰を招きかねず、米価の低迷を招く恐れがあるとの認識を示した。

立憲民主党の小沼巧氏への答弁。
 政府は主食用米の需給安定へ、水田活用の直接支払交付金で主食用米からの転作を支援している。
 飼料用米に転作した際の助成は、一般の主食用品種の場合は2024年産から段階的に引き下げることが決まっている。
 他方、収量が多い専用品種の場合は据え置いている。
 一方、財務省の財政制度等審議会(財政審)は飼料用米助成の財政負担を問題視。
 継続的な助成単価の削減や支援対象からの除外を求める意見書を加藤勝信財務相に提出した。
 江藤農相は、財政審の意見を「指摘として受け止める」と答弁。
 一方、主食用米の需給が均衡し価格が持ち直す中で飼料用米助成を削れば、農家が主食用米の生産に傾き、米価が再び下落しかねないとも強調。
 飼料用米が減れば畜産経営にも響くとして、助成削減に慎重な姿勢を示した。
 同様に答弁を求められた加藤財務相は「農水省の話も聞ききながら結論を導かせていただきたい」と述べた。
 政府内の見解の相違を指摘された石破茂首相は、双方の意見を聞きつつ、制度の持続可能性などを考慮するとした。
 両氏はともに、先の自民党総裁選で、農業予算の増額が必要との認識を示している。

就農支援拡充も表明
 江藤農相はこの日の委員会で、新規就農支援を「大幅に見直す」とも表明した。
 新たに農業を始める人に一定期間、年間150万円を支払う「経営開始資金」に言及。
 親元就農の場合、新品目の栽培などを条件としていたが、二酸化炭素(CO2)発生装置を設けるなど「機能向上の工夫」があれば対象にするとした。
 初期投資支援も、国の補助上限を現行の500万円から600万円に引き上げるとした。

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<最新>飼料米助成引き下げ「全く考えていない」
農 相
日本農業新聞 2024年12月6日

 江藤拓農相は6日の参院予算委員会で、主食用米から飼料用米に転作した場合の助成の引き下げは「全く考えていない」と述べた。
 助成の削減や廃止を求める財務省に反論した格好。
 主食用米への回帰を招きかねず、米価の低迷を招く恐れがあるとの認識を示した。
 立憲民主党の小沼巧氏への答弁。
 政府は主食用米の需給安定へ、水田活用の直接支払交付金で主食用米からの転作を支援している。
 飼料用米に転作した際の助成は、一般の主食用品種の場合は2024年産から段階的に引き下げることが決まっている。
 他方、収量が多い専用品種の場合は据え置いている。
 一方、財務省の財政制度等審議会(財政審)は飼料用米助成の財政負担を問題視。
 継続的な助成単価の削減や支援対象からの除外を求める意見書を加藤勝信財務相に提出した。
 江藤農相は、財政審の意見を「指摘として受け止める」と答弁。
 一方、主食用米の需給が均衡し価格が持ち直す中で飼料用米助成を削れば、農家が主食用米の生産に傾き、米価が再び下落しかねないとも強調。
 飼料用米が減れば畜産経営にも響くとして、助成削減に慎重な姿勢を示した。

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<最新>飼料用米振興協会がシンポ
「水活」から対象外に反発
日本農業新聞 2024年12月5日

 日本飼料用米振興協会は5日、米政策と飼料用米をテーマにした意見交換会を東京都内で開いた。
 飼料用米の活用を進めている生活クラブ事業連合生協連(生活クラブ連合会)や養豚農家らが参加し、飼料用米の価値や重要性を訴えた。
 財務相の諮問機関・財政制度等審議会(財政審)が建議で「水田活用の直接支払交付金」の対象から飼料用米を外すよう求めたことに対し、怒りや不安の声が上がった。
 生活クラブ連合会の村上彰一会長は、財政審の建議について「怒っている」と強調。
 同連合会は、年間で2万2000~2万3000トン程度の飼料用米を使う。
 飼料自給率の向上を目指して飼料用米の利用拡大を続けてきた結果で、鶏や豚を中心に定着してきているとする。
 飼料用米の生産量が大幅に落ち込めば、「飼料を国産で賄うことは難しい」と指摘した。

 青森県の木村牧場は、年間3万5000頭の豚を出荷する。
 約12年前から飼料用米を使い始め、飼料全体の3~5割程度まで増やした。
 木村洋文代表は「飼料用米は肉質の向上にもつながる上、カビなどのリスクも低く、とても良い原料」と強調。輸入飼料については「安価に買える見込みはない」と話した。

 飼料用米は米農家にとっても欠かせないとした意見も多く上がった。

 同協会の信岡誠治理事は「(主食用の)米価低迷時には、収入面で米農家のセーフティーネットとして機能してきた」と指摘。
 食用米の需要減少が続く中で、水田の維持に向けて飼料用米は重要な役割を担っているとした。