◆ 農林水産省農産局の資料は、下記アドレスでダウンロードしてください。
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2022年11月18日 午後1時~4時の日程で
第7回 コメ政策と飼料用米に関する意見交換会を開催しました。
参加者は、
実会場(食糧会館) 23名 (報道機関 4社)
リモート(ZOOM) 39名 (報道機関 6社)
当日の会場で使用した資料を次にUPしました。
(開会の挨拶、3名の話題提供者、政策提言、2022年度アピール)
尚、加藤副理事長による閉会挨拶は一部修正中ですので、この後UPします。
話題提供者3名の資料アップが完了しています。
上記からダウンロードしてください。
2022年度 コメ政策と飼料用米に関する意見交換会
開催日程:2022年11月18日(金)開会13:00~閉会16:00
開催会場:食糧会館 5階会議室(A・B)
東京都中央区日本橋小伝馬町15-15
ごあいさつ |
2022年11月18日 一般社団法人日本飼料用米振興協会 理事長 海老澤 惠子 一般社団法人日本飼料用米振興協会の「第7回 コメ政策と飼料用米に関する意見交換会2022」にご参加いただきありがとうございます。 3年間にわたるコロナ禍も終息のきざしが見えず、いよいよ第8波に突入したものと見られます。 更にはロシアのウクライナ侵攻、世界的な異常気象による干ばつと洪水などで、世界の経済状況も大きく変動しており、今後の政策策定や経済見通しも極めて困難な状況にあります。 そんな中、現実問題として、農畜産物の生産現場からは「もうこれ以上続けられない」という悲痛な声や廃業に追い込まれたとの情報も届いています。 この状況に、国民として日本の食料調達に対する不安を感じざるを得ません。 私どもは、前身の「超多収穫米普及連絡会」のスタート時から、日本の食料自給率向上は、減反水田に耕畜連携による超多収性飼料用米を作付けすることによって、飼料自給率を大幅に向上することで、間違いなく実現できる!!との信念で15年間活動してきましたが、今、まさに「飼料用米は、食料安全保障の要である」との思いを一層強くしております。 今年6月の定時社員総会において、この考えのもとに飼料用米の推進方策として次の「4つの提言」をアピールとして採択しました。 1.法制化による裏付け 2.新たな保管・流通体系の構築 3.多収栽培に向けて支援策の強化 4.水管理と意識改革 について具体的に示したものです。 農林水産省や政府では、2022年度第2次補正予算案がまとまり、食料安全保障に1642億円、総額8206億円を計上していますが、それらの予算を具体的にどのように使うかは、生産現場の実情に合うものでなければ意味がないものと思います。 本日の意見交換会には残念ながら農水省からは「国会対応の為」とのことでご参加いただけませんでしたが、生産現場から、 福岡県「城井ふる里村(有)・徳永養鶏場」の徳永隆康さん、 山形県「(株)平田牧場」の池原彩さん、 山口県「(株)秋川牧園」の村田洋さんの3名様から話題提供をしていただきます。 ぜひ、率直な生のお声をお聞かせいただきたいと思います。 今回の意見交換会では、生産者の活動と切なる声に基づき、積極的な意見交換を行いたいと思っています。 本日の内容を農水省にも報告しながら、現実に即した施策につながれば、大いに意義あるものと考えております。 何とぞよろしくお願い申し上げます。 |
上記写真説明 | |
会場風景(密室を避けて、長テーブル一人掛け) | 閉会の辞(加藤)、司会進行(信岡)、話題提供者(徳永、村田) |
城井ふる里村㈲ 徳永さん | ㈱秋川牧園 村田さん |
㈱平田牧場 池原さん | 木村牧場木村社長ドイツ海外出張中リモート参加 |
司会進行 信岡理事 | 発言をする海老澤理事長 |
コメ政策の今後の方向についての意見交換会2022のまとめ 2022年11月18日 一般社団法人日本飼料用米振興協会 副理事長 加藤 好一 (生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 顧問) 第7回となる表記の意見交換会は、例年とは違う構成にしてみました。 例年は基調講演をまず行ない、その後に各地域の報告をつなげていただくという構成の意見交換会を行ってきましたが、今回は各地域の報告を主軸に議論するという構成にした次第です。 この背景にある事情は、 ① 世界的な食料危機に突入しているという情勢認識、ならびに、 ② 昨今、コメ相場はやや上向いているとはいえ、厳しい情勢は継続している。 ③ にもかかわらず、料用米振興協会の立場からして、わが国における飼料用米の位置づけや役割が過小評価されすぎているという認識に基づいています。 円安や肥料原料の逼迫、穀物の争奪などが厳しく、飼料価格の高騰が酪農や畜産など農業全般に大きなダメージを被らせています。 廃業や経営危機が各地に現れている現実があるからです。 また一方で、ウクライナ戦争でも明らかになったように、食料は戦略物資であり、武器となっています。 日本のみならず世界的な食料危機は避けられない情勢であり、これは構造化すると見込まれ、したがって長期化は避けらないでしょう。食料の自給に対処できないならば国民は困窮し、飢餓に苦しむ国々はますます深刻の度を増さざるをえません。 食料を武器とせず、国民・市民の手によって自給・自主管理する道がより深く模索されなければならない(「提携」の思想と実践)と、当会は考えています。 「提携」とは「ともに事をなしとげる」という関係性のことです。 さて、今回の意見交換会では三つの報告がされました。 その主たる論点を振り返ってみます。 まず福岡県の城井ふる里村(有)の徳永隆康氏は、「飼料用米を利用した畜産物のブランド化に向けた取り組み」をテーマに、報告をいただきました。 そして今後の課題・要望として、 ① 水田活用の直接支払交付金の耕畜連携助成(資源循環)について、鶏糞を施用した飼料用米生産を制度化すること。 ② 配合飼料原料を輸入トウモロコシではなく飼料用米使用率を向上させたいが、耕種農家の契約等の問題が不安定であり、これを長期的なものにするために制度の安定化が必要であること、などの重要な提言をいただきました。 つぎに山形県に本社のある平田牧場の池原彩氏からは、同牧場の飼料用米の使用実態を中心に報告があり、日本国民一人当たりの年間米消費量が約50.7㎏であるところ、平田牧場の豚は約120日(肥育基準は200日齢で出荷)で1.6~2.5倍(豚種や育成地で異なる)近くの米を消費していること。 そして国産飼料を生産するという、本会が「転作」ではなく「本作」と位置づける飼料用米生産の意義に触れつつ、「指定配合飼料の国産比率50%をめざす」という決意を示されました。これは平田牧場の肥育頭数からすると、相当な数量になります。 さらに山口県の秋川牧園の村田洋氏からは「飼料用米専用品種を利用普及してきた成果と今後への問題提起」と題する報告をいただきました。 まず強調されたのはより多収に向けた品種改良の必要と、耕畜連携の強化すなわち堆肥利用の重要性です。 そのうえで飼料輸入依存からの脱却と、平田牧場の提言にも重なる「飼料用米を本作に」との主張でした。その場合の条件は、 ① 徹底的なコスト削減と技術向上、 ② 反収の向上(目標1㌧/反)であり、これをなしとげて「飼料用米は日本の農地(水田)、『原風景を守る要!』 多収技術を確立して食料危機を乗り越えよう!」と結ばれました。 これらのご主張は、当会の年来の主張に重なるとともに、現場からの提言として貴重なものです。 当協会としては今回の意見交換会の各氏のご提言を活かし、今後の活動につなげていく所存です。 今回ご参加いただいたみなさまに、あらためて感謝申し上げるとともに、今後ともご支援、ご鞭撻をお願い申し上げ、本意見交換会のまとめとさせていただきます。 |
【アピール】
2022年定時社員総会決議 飼料用米普及に向けてのアピール2022
2022年(令和4年)6月24日 |
一般社団法人 日本飼料用米振興協会 2022年定時社員総会 決議 |
アピール「飼料用米は食糧安全保障の要である」
コロナ禍で国際的にサプライチェーンの混乱が続いている。
とりわけ人の命に直結する食糧においては世界穀物市場の混乱で、かつての穀物ショックに匹敵する穀物価格の暴騰が生じている。
加えてロシアのウクライナ軍事侵攻・黒海封鎖により穀物が戦争の武器(取引材料)とされており小麦、トウモロコシ、油糧種子(ヒマワリや大豆)などの流通が阻害され、世界規模の食糧危機が目前に迫ってきている。
そのため食料の需給逼迫を見越し、食料の輸出を規制する国が増えている。
国際食料政策研究所(ワシントン)によると、ウクライナ侵攻以降、2022年6月時点で合計26か国が食料や肥料に対して全面的な輸出禁止措置などを導入している。
さらに肥料原料(窒素、リン酸、カリ)の暴騰と入手難、原油・天然ガスの高騰によるガソリン、電気料金、ガス代の値上げに加えて、生産資材価格の値上げも相次いでいる。
畜産経営も配合飼料の価格の相次ぐ値上げで全く採算が取れない状況に陥っている。
グローバルな自由貿易で最も安く輸入できるところから調達していくという国際分業を前提とした自由主義経済体制そのものが根底から大きく揺らいでいるといっても過言ではない。
わが国の食料自給率は37%(カロリーべ―ス)と先進国では最低レベルである。
他方で、消費者のコメ離れは著しく1人当たりのコメ消費量はピーク時に比べて半分以下となっている。
そのため、過剰在庫で米価は低迷しコメは余って困っており作付転換を余儀なくされている。
過剰と不足が併存するといういびつな食糧の供給構造となっている
食料がままならないとなると水田を生かした自給戦略に大きく舵を切るというのが我が国の食糧戦略の柱となるべきである。
水田で作れるものといったら、最も適しているのはコメである。
政府は飼料用米の推進を農政の柱として位置付けてきたが、一昨年から財政審議会の提言を受けて飼料用米の推進を言わなくなった。
そのため、政府は飼料用米に本気で取り組むことを止めたのではないかと疑心暗鬼になっている。
しかし、海外からの輸入穀物価格が高騰を続ける中で、相対的に国産飼料用米は価格的に有利となってきており現場では飼料用米は奪い合いとなってきている。
ところが、政府が増産にブレーキをかけるという奇妙な構図が生じている。
本当にわが国で食糧安全保障を構築するためには水田をフル活用して飼料用米を大増産することが最も有効であり、消費者・国民に安心感を与えることが必要である。
そこで、政策提言として次の3点を提起します。
1)飼料用米の生産目標を70万tから280万tに大幅に引き上げ、飼料用米は食用米の作付転換の単なる受け皿ではないことを明確にし、食料自給率向上の柱として位置づける。
2)真に生産コストの低減ができるような施策の強化を図る。
3)飼料用米を水田フル活用の柱、食糧安全保障の要と位置づけ、安定供給に向けた条件整備を図るため、法制化及び価格形成・保管流通の合理化などを国家戦略として推進していくこと。
2022年7月15日
一般社団法人 日本飼料用米振興協会
この「アピール」は、その一助として政府と多くの皆さまに提案するものです。
一般社団法人 日本飼料用米振興協会 理事会
理事長 海老澤 惠子 中野区消団連 副会長
副理事長 加藤 好一 生活クラブ生協事業連合会 顧問
理事・事務局長 若狹 良治 NPO未来舎 副理事長
理事 柴崎 靖人 昭和産業株式会社 畜産飼料部選任部長
理事 鈴木 平 木徳神糧株式会社 執行役員 飼料事業部
理事 信岡 誠治 有識者(前・東京農業大学農学部教授)
監事 加藤 洋子 中野区消団連
※ 任期満了により、役員の改選を行いました。
理事および監事の回線がありました。
2024年6月定時社員総会の役員改選まで以上のメンバーです。
お問い合わせは、下記のメールでお願いします。postmaster@j-fra.or.jp