第6回 コメ政策と飼料用米の今後の関する意見交換会2021 開催報告

ご挨拶
 本日は、コロナ禍の中で、従来、70名前後の参加で開催してまいりました「コメ政策と飼料用米に関する意見交換会」。
 昨年は、第1回座談会という形で、参加を報道関係者のみに限定して開催し、ビデオ収録を行いホームページで発表をいたしました。
 今年は、よく理由は不明ながら、ワクチンを集中的に摂取したからとも言われていますが、とにもかくにも第5波が収まり、小康状態になってまいりました。
 今後、状況を見ながら、正常な運営に戻していきたいと考えます。
新たな変異株であるオミクロンによる感染に注視しつつ、飼料用米振興協会としては、本来の普及のためのシンポジウムや意見交換会などを再開してまいりたいと存じます。
 今年は、コロナ禍による外食産業での業務用米の不振などで食用米が一段と過剰となる中で、飼料用米の生産が大きく増えました。
 今後、米価急落に伴う稲作農家の離農加速の懸念や現在の民間主導型のコメ需給対策で改善が図れるのか、コロナ禍に伴う資源価格や食料価格高騰で世界的に大きく変化している食料需給に対応していけるのか、今後、私たちが声を大にして求めてきた飼料用米の「本作化」は実現できるのか、水田農家と畜産農家の連携や結合へ向けて、何をなすべきなのかなどしっかりと議論をしていきたいと考えます。
 今後、一層の飼料用米の普及に向けて、お米育ちの畜産物のブランド化などを消費者と結びついて進めていきたいと考えます。
2021年12月3日
一般社団法人 日本飼料用米振興協会
理事長 海老澤惠子

参加者募集 30名
(実参加者の密を防ぐ目安:申し込み多数の場合申し込み順を優先しました。)
(ZOOM:100名まで聴講可能によるハイブリッド運営)
参加者 実出席 27人(内:報道関係者 17社19名)
昨年は、実出席 19人(内:報道関係者  9社 9名)
ZOOM視聴は、30人を超えておりました。
基調報告(資料配布)
  農林水産省 農産局穀物課課長補佐企画班長
  角谷 磨美(かどたに まみ)さん
   「飼料用米をめぐる情勢について」


活動報告
 ①(青森県の稲作生産者)
  林 久利(はやし ひさとし)さん(15分)
   ▼主食用米の耕地面積 約2町歩
   ▼飼料用米の耕地面積 約53町歩
   ▼リンゴ畑の耕地面積 約2町歩
   ▼労働力について 
     家族経営(夫婦2人・長男夫婦・次男1人 計5人)
  宮本 富樹(みやもと とみき)さん(補助発言)
   株式会社木村牧場 参与 飼料課営業担当
   ▼養豚を中心として、飼料用米、再生可能エネルギー、精肉販売
    の4本の柱で営業
 https://www.kimurafarm.jp/

②(群馬県の畜産生産者)
  櫻井 康生(さくらい やすお)さん(15分)
   株式会社トマル常務取締役(群馬県前橋市)
   ▼採卵鶏、孵化場、和牛繁殖、酪農など売上146億円、
   ▼自家配工場を建設し飼料用米を配合
 http://www.tomaru.com/production/

助言者 信岡 誠治
 (一社)日本飼料用米振興協会 理事、元東京農業大学農学部教授、
 (一社)日本養鶏協会 Executive Adviser(15分)



司 会 加藤 好一
  (一社)日本飼料用米振興協会 副理事長
 生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 顧問

開催日時 2021年12月3日(金)14:00~16:00(2時間)
参加者との意見交換と応答(質疑応答)16:10~16:50(40分間)
会  場 食糧会館 5F会議室(東京都中央区日本橋小伝馬町15-15)https://www.zenbeihan.com/assets/img/overview/map_tokyo.gif

主  催  一般社団法人 日本飼料用米振興協会

第6回 コメ政策と飼料用米に関する意見交換会2021
第2回 座談会 風景



報道記事
飼料米本作化支援を 振興協会が意見交換
日本農業新聞
2021年12月4日(土)2面
日本飼料用米振興協会は3日、飼料用米の生産や活用を話し合う意見交換会を、東京都内の会場とオンラインで開いた。輸入飼料価格が高騰する中、飼料用米を使う畜産業者はトウモロコシの代替が十分可能と報告。
耕種農家からは、2021年産米価下落を受け、飼料用米の本作他に向けた国の支援強化を求める声が上がった。
畜産側からは、採卵鶏など30農場・事業所で養鶏を展開するトマル(前橋市)が報告した。
飼料混合工場策として、2011年に約120トンの飼斜用米の利用を開始。
飼料混合工場を独自に整備し、2021年は約3600トンに拡大した。
自社調査では、タンパク質の成分値はトウモロコシと同等以上で「代替は十分可能」とし、使用を増やしていく考えを示した。
青森市で飼料用米を53ヘクタールを栽培する林久利さん(66)は、米価が低迷する中、飼料用米の割合を増やし、低コスト化のために高密度播種(はしゅ)育苗や側条施肥田植え機などを取り入れていると紹介した。
飼料用米に関する政府の助成の見直しが進んでいることを踏まえ「支援を従来の方針通りに続けることが大切だ」と訴えた。
元東京農業大学教授の信岡誠治氏は、ビジネス上の利点を解説。
飼料用米を与えると機能性成分のオレイン酸の割合が畜産物で高くなるとし、「消費者にPRできる」 とした。
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日本飼料用米振興協会 飼料用米・第2回座談会を開催
日刊毎日経済通信 第13090号
2021年12月9日(木)
(一社)日本飼料用米振興協会は12月3日、午後2時より、東京・日本橋の食糧会館会議室において、ZOOMとの併用による第6回コメ政策と飼料用来の今後に関する意見交換会・第2回座談会を開催した。
第2回座談会は、海老澤惠子理事長の開会あいさつの後、行われた。
座談会の開催にあたり、
① 青森県の稲作生産者 林久利 氏と(株)木村牧場 宮本富樹参与。
②群馬県の畜産生産者 (株)トマル 櫻井 康生 常務取締殺より、それぞれの立場からの活動報告が行われた。
③日本飼料用米振興協会 信岡 誠治理事より、飼料用米の生産に関した助言がが行われた。
続く座談会では次の5つを論点として行われた。
① 米価急落に伴い、稲作農家の離農加速はめるか。
② 民間主導型のコメ需給対策には限界があるのではないか。
③ コロナ渦に伴う資源価格や食料価格の高騰で世界酌な食糧需給の変化への対応はあどうするのか。
④ 飼料用米の本作化へ向けたテコ入れのあり方。水田農家と畜産農家の連携や結合へ向けて。
⑤ 消費との連携などうするのか。
第2回座談会は、これらを論点に現実を踏また率直な意見が出された。