
開催趣旨 一般社団法人飼料用米振興協会は、2008年(平成20年)に起きた世界的な穀物相場の高騰の際に、国内の畜産農業を守り、食料自給率の向上などを目的に開催された「学習会」を起点に組織された「超多収穫米普及連絡会」が出発点です。 こうした「学習会」の流れをくむ本シンポジウムは、様々な研究や事業、消費に至る飼料用米の一貫した様々な取組を理解していただく「集い」として企画しており、消費者、主婦をはじめ、配合飼料メーカー、物流事業者、保管事業者、農業協同組合、農事法人、農家、研究者、学生など、様々な方が日本における水田のフル活用、そして飼料用米の利活用について共に考え、交流する場となることを目的としております。 2015年(平成27年)以降、5回目の開催となる本年度は、日本の米政策にとって大きな転機となった年でした。これからは、行政による生産数量目標の配分に頼ることなく、農業者自らがマーケットの動向等を見ながら、自らの経営判断や販売戦略に基づき需要に応じた生産を行っていく必要があります。 今年のシンポジウムでは、こうした農業を取り巻く環境の変化の中、食料自給率の向上といった命題がなお重要性を増していることに鑑み、改めて飼料用米の今後の方向性を探ろうと試みております。 本シンポジウムにご参加の皆様が、これを機に改めて飼料用米の重要性に気づき、また皆様が起点となってその気づきを広めていただくきっかけになれば幸いです。 飼料用米普及のためのシンポジウム2019 主催:一般社団法人日本飼料用米振興協会 後援:農林水産省 「飼料用米多収日本一」表彰式 主催:一般社団法人日本飼料用米振興協会・農林水産省 後援:全国農業協同組合中央会、全国農業協同組合連合会、協同組合日本飼料工業会 協力:日本農業新聞 「飼料用米活用畜産物ブランド日本一」表彰式 主催:一般社団法人日本養豚協会 後援:農林水産省、全国農業協同組合中央会、公益社団法人中央畜産会 飼料用米普及のためのシンポジウム2019 プログラム 1 開会 11:00 開会挨拶 一般社団法人日本飼料用米振興協会 理事長 海老澤惠子 日本生活協同組合連合会 常務理事 山本 克哉 農林水産省政策統括官付穀物課長 堺田 輝也 2 基調講演 11:20 「飼料用米の推進について」 農林水産省生産局畜産部飼料課長 犬飼 史郎 (休 憩) 3 表彰式 13:00 「飼料用米多収日本一」表彰式 「飼料用米活用畜産物ブランド日本一」表彰式 (休 憩) 4 活動報告・講演 14:30 (1)「飼料用米を取り扱って10年、今後に期待する!」 有限会社鈴木養鶏場 代表取締役会長 鈴木 明久 (2)「こめたまごの販売による飼料用米の普及拡大の取組」 昭和鶏卵株式会社 代表取締役社長 不破 恒昭 (3)「飼料用米の新品種開発の現状と今後」 一般社団法人日本飼料用米振興協会 理事 信岡 誠治 (4)「協同組合連携の取り組みについて~生産者から消費者までの協同を広げる~」 一般社団法人日本協同組合連携機構(JCA) 常務理事 青竹 豊 5 総括質疑 16:15 進行:一般社団法人日本飼料用米振興協会 理事 信岡 誠治 6 閉会 17:00 閉会挨拶 一般社団法人日本飼料用米振興協会 副理事長 加藤 好一 資料展示 会場:ロビー 太陽工業株式会社 飼料用米の屋外・常温保管ユニット、防疫対策としての通路改良剤など 昭和鶏卵産業株式会社 オール国配合飼料使用鶏卵:和のしずくなど 株式会社平田牧場 飼料用米給与の金華豚・三元豚 有限会社鈴木養鶏場 飼料用米生産者との提携、飼料用米を給与した卵、有精卵、スイーツ、鶏肉 東都生活協同組合 飼料用米育ちの米たまごなど 一般社団法人日本飼料用米振興協会(監修・信岡誠治) 飼料用米の役割と飼料用米の低コスト生産など 試食会 会場:会議室 有限会社鈴木養鶏場 飼料用米を給与した鶏卵を使用したスイーツ 昭和鶏卵産業株式会社 オール国産配合飼料使用鶏卵のゆでたまご 株式会社平田牧場 飼料用米給与の金華豚・三元豚のシャブシャブ 意見交流懇親会 会場:東京大学生協農学部食堂 シンポジウム終了後、希望者による意見交流懇親会を開催します(17:30~、会費制3,500円)。事前のご登録がなく、当日参加をご希望される方は、受付にてお申し出ください。 飼料用米普及のためのシンポジウム2019 主 催 :一般社団法人 日本飼料用米振興協会 正社員 : 生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 全国農業協同組合連合会 木徳神糧株式会社 昭和産業株式会社 株式会社秋川牧園 シンジェンタジャパン株式会社 中国工業株式会社 ヤンマーアグリジャパン株式会社 中野区消費者団体連絡会 NPO未来舎 賛助会員 :日本生活協協同組合連合会 生活協同組合おかやまコープ 庄内みどり農業協同組合 栃木県開拓農業協同組合 株式会社平田牧場 JA加美よつば農業協同組合 滋賀県飼料米利活用推進協議会 太陽工業株式会社 株式会社木村牧場 協賛団体 : 東都生活協同組合 生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 飼料用米多収日本一表彰式 主 催 :一般社団法人日本飼料用米振興協会 ・ 農林水産省 後 援 :全国農業協同組合中央会 全国農業協同組合連合会 協同組合日本飼料工業会 協 力 :日本農業新聞 飼料用米活用畜産物ブランド日本一表彰式 主 催 :一般社団法人日本養豚協会 後 援 :農林水産省、全国農業協同組合中央会、公益社団法人中央畜産会 |
開会のご挨拶 2019年(平成31年)3月15日 一般社団法人日本飼料用米振興協会 理事長 海老澤 惠子(中野区消費者団体連絡会) 副理事長 加藤 好一(生活クラブ事業連合生活協同組合連合会) 理事 木村 友二郎(木徳神糧株式会社) 理事 阿部 健太郎 (昭和産業株式会社) 理事 遠藤 雄士(全国農業協同組合連合会) 理事 信岡 誠治(有識者/元東京農業大学農学部教授) 理事 谷井 勇二(有識者/元全農職員) 理事・事務局長 若狭 良治(NPO未来舎) 監事 岩野 千草(中野区消費者団体連絡会) 一般社団法人日本飼料用米振興協会のシンポジウムにご参加いただきありがとうございます。 皆様には日頃から、日本飼料用米振興協会の活動にご理解とご協力をいただき、感謝いたしております。 2007年の輸入飼料の国際的高騰による畜産パニックをきっかけに、任意団体の「超多収穫米普及連絡会」としてスタートしてから今年で11年になります。 飼料用米普及のため、毎年シンポジウムを開催してきましたが、2014年4月に一般社団法人日本飼料用米振興協会として法人化し、その5回目のシンポジウムとなります。 回を重ねる中で、飼料用米をさらに普及させるにあたって、国の制度及び生産、流通、保管などについて沢山の課題があり、又それらの解決が容易でないこともわかってきました。様々な要因があることと思いますが、平成30年度の飼料用米作付け面積および生産量は前年よりも減少していると伺っています。その中で、課題を克服しながら意欲的に取り組んでいる生産者の方々が多くいらっしゃることはとてもうれしいことです。 昨年の秋、私共は、大分、福岡、山口の生産地を訪問し、大分では鈴木養鶏場の独自の取り組みを見学させていただきました。本日は、その鈴木養鶏場の鈴木会長より活動報告をしていただきます。 又、元東京農業大学教授の信岡誠治先生からは、飼料用米の新品種開発について研究報告をしていただきますが、いわゆるゲノム編集の研究・技術が急速に進んでおり、私共も大いに関心を持って注視していかなければならないことと思います。 また、本日は、農協や漁協、生協、森林組合などユネスコで歴史的世界遺産に登録されました協同組合の連携強化を目指して組織されました一般社団法人日本協同組合連携機構の青竹様に講演をいただきますが、その中で国連が提起しましたSDGsのいわゆる持続可能な社会の構築について、私共の取り組んできた飼料用米を巡る耕畜消連携の循環畜産、農業活動こそ、その目的に値するものと確信しております。 平成28年度から、農林水産省との共同事業として取り組んでおります「飼料用米多収日本一表彰事業」も、平成30年度で3回目になりました。 飼料用米をできるだけ低コストで多収穫できる生産を目指し、多収穫品種や耕畜連携で得られる有機肥料の使用促進と、そのための農業従事者の生産技術や成果で優れた実績を上げた個人や組織を表彰し、その成果を広く紹介、普及しようというものです。その表彰式も、「飼料用米活用畜産ブランド日本一」表彰とあわせて、本日、この会場で行います。 わが国の米政策をめぐっては、昨年から米の生産調整いわゆる減反政策が廃止され、その影響がどうなるのかとても関心の高いところです。 日本飼料用米振興協会としては、いろいろな方面からの問題提起や情報交換のできる場となることに努め、飼料用米による畜産が特別ではない当たり前のこととして普及するよう、行政もふくめてみんなで考えていきたいと思っております。 本日のシンポジウムが活動を前進させるために大いに意義あるものとなるよう期待しております。 尚、昨年秋に岐阜県から発生した豚コレラがいまだに収まっていません。 本日のジンポジウムには関係者の方もご参加くださっていることを配慮し、会場入り口の防疫対策などいたしました。豚コレラの一刻も早い収束を願うばかりです。 本日は長時間の開催となりますが、どうか最後までよろしくお願いいたします。 連帯のご挨拶 日本生活協同組合連合会 常務理事 山本 克哉 日頃より全国の生協が事業や地域の諸活動において大変お世話になっております。 この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。 シンポジウムの開催にあたり、一言、連帯のご挨拶を申し上げます。 一般社団法人飼料用米振興協会は、2007年の世界的な穀物相場の高騰の中、畜産事業者の経営改善を図ることを目的として、多収量米、とりわけ飼料用米の普及活動の発展に貢献されてきました。 今般の情勢を見据えた時、御会の活動が更に重要な役割を果たされていくものと期待しております。 世界的な異常気象や不安定な国際情勢の中で、2018年末に環太平洋連携協定(TPP11)、2019年2月に日欧経済連携協定と、我が国の参加する広域協定が相次いで発効しました。 それに加えて日米2国間交渉も進められています。今後、農産物の輸入も一層拡大していくとともに、食料の安定供給や安全・安心、国内農業の持続可能性への不安が増していくと思われます。 その一方で、「持続可能な開発目標(SDGs)」が2015年の国連総会で採択され、環境や社会、人権等に関する共通の2030年目標(ゴール)に向けて、日本を含む世界各国で行政、協同組合、企業、NGOなど多くの組織が取り組みを始めています。私たち日本生協連も2018年6月の第68回通常総会で「コープSDGs行動宣言」を採択し、持続可能な社会の実現に大きく貢献していくことを社会に対して約束(コミット)したところです。 飼料用米の活用はSDGsの目標に係わる重要な取り組みとして位置づけることができます。 水田の活用は国内生産力の維持に加え、地域内での経済循環、地域の環境や景観、生物多様性の保全、コミュニティを維持など多面的な機能につながります。水田を一度放棄してしまうと、再び取り戻すことは容易ではありません。 飼料用米で地域農業がさらに活性化されることで、消費者にとっても「交流」「学び」「体験」の大切な場となっていくでしょう。 自然の豊かさを感じ、農業や生き物の大切さを理解するなど、「食と農」をつなぐ取り組みは、豊かなくらしの実現に大きく寄与しています。 地域とともに歩む生協は、今後も飼料用米の作付面積・生産量の確保、販路の拡大、コストの削減、組合員認知の向上などの取り組みを通じて、飼料用米の利用を引き続き推進してまいりたいと思います。 2019年度は政府の食料・農業・農村基本計画の見直しが検討される年になります。 また、私たち生協も2030年に向けたビジョンについて全国的な検討を進めることとしています。飼料用米をはじめとした地域社会づくりの取り組みが地域の人々のくらしをより豊かにし、日本の農業を強めていくことを誓い合って、ご挨拶とさせていただきます。 |