一般社団法人日本飼料用米振興協会の生産者メンバーである秋川牧園の村田生産部次長と運営事務局の若狹事務局長の二人をメイン講師にして、下記のようなシンポジウムが3月5日に千葉県成田市で開催されました。 参加者は、生産者19名:(酪農3名、肉用牛1名、養豚13名、養鶏1名、稲作1名) 行政 12名:千葉県 各所 荷受け組合:11名 関連団体14名 全日本畜産経営者協会:4名 事務局:千葉県全日本畜産経営者協会(2名) 講師:2名 合計64名 関東甲越・千葉県全日本畜産経営者協会が農業・畜産農家の皆さんをはじめ、配合飼料メーカー、畜産・農業関係団体や行政機関など、日頃お世話になっている皆様にお集まりいただき、飼料用米利用推進に関する講演会を開催されました。 飼料が高騰している中、水田での飼料用米生産が、畜産経営の安定、地域の稲作農家との連携強化や農地の維持にもつながる取り組みとなりました。 開催日時 令和7年3月5日(水) 13時30分~16時30分 会 場 アートホテル成田 千葉県成田市小菅700 電話0476-32-1111 プログラム (1)飼料用米生産利用の意義 講 師 一般社団法人 日本飼料用米振興協会 事務局長 若狭 良治 氏 (2)飼料用米という農業革命 講 師 株式会社 秋川牧園(山口県山口市) 生産部 次長 村田 洋 氏 |


「飼料用米生産利用の意義について」と題し、一般社団法人 日本飼料用米振興協会の若狹良治 理事・事務局長が講演を行った。
自分自身が80歳であること、この飼料用米に2007年の本人の飼料用米に関する日刊自動車新聞の記事を示し、生協の友人の勧めで飼料用米に関心を持った時期の生産は5万トンにも満たなかった時代からの18年間の活動。
また、現在のコメ問題に触れ、国の農業・食用米、飼料用米などの施策方法「KPI、PDCA等」が重用されていることに触れ問題点を指摘した。
1980年代に日本生協連で人事教育課長を務めた経験などから政策立案に「マニュアル検討」手法が重視されている現状を批判し、この30年間に失われた日本の経済力・農業・産業の力を改善するためには経験から学ぶことも大切だが、新しい未経験の事柄を積極的に研究し、積み上げることが急務であると訴えた。
目次
皆の水田を巡り技術を高め合う
秋川牧園では毎年8、9月の両月末ごろ、連携する飼料用米(以下飼料米)生産者と田んぼを巡回して話し合う『圃場視察会』を開いている。
飼料用米が作る元気な生産者 圃場視察研究会VIDEO映像

皆の水田を巡り技術を高め合う
秋川牧園では毎年8、9月の両月末ごろ、連携する飼料用米(以下飼料米)生産者と田んぼを巡回して話し合う『圃場視察会』を開いている。
山口湾に朝日が差す周防大橋のたもとに軽トラ、ワゴン、SUVなど20台以上が続々と入る。
秋川正社長や村田洋次長、東京農大の加藤浩教授、稲作農家、飼料・資材関係者、県やJAの職員、農研機構の研究者ら全員が欠かせないメンバーだ。
秋川社長が今回は県の共励会も兼ねた視察と説明。
それぞれの田を見て学ぼうと述べた上で「飼料米は9~10月がとても大事。昨年の皆さんからの1000トン分は順調にはけており、残60トン。もうすぐタンクが空になる。
今年も収を心待ちにしている」と呼びかけた。
元・農研機構所属で多収品種のモミロマン、オオナリを開発した加藤教授は教え子2人を連れ「今後の参考のためにも、各品種への正直な感想をお願いしたい」と依頼。
年2回の視察会がモチベーションと技術向上につながり、農水省が2016年に始め多収コンテストでは海地博志さん、長沼靖夫さん、(農)二島西、(農)ファームあまだ、三輪農産(株)が上位入賞を経験。前回は、海地さんが低コスト・低労力の疎植栽培でありながら10アール(1000平方メートル) 812キロの単収で農産局長賞を受賞した。2024年度は、2025年3月13日に表彰式が行われ、「株式会社あぐりてらす阿知須 代表取締役 長尾誠大さん、三輪農園株式会社 代表取締役 三輪敏之さん、池田侯男さん、有限会社原田ファーム 代表取締役 原田武徳さん」の4名が表彰された。
2024年11月15日 鶏鳴新聞 3面左半面11段 で活動が紹介されました。

鶏鳴新聞 2024年11月15日(金) 秋川牧園に見る 水稲生産者との『循環型養鶏』 地元農家から「飼料用米、ずっと続けたいと思っちょるよ」 「よければ田んぼを見に来ませんか?」。 今夏、㈱秋川牧園の光井祥子室長への取材後に案内を受け、9月末の山口市を訪ねた。 同社が市内23戸の稲作農家(水田総面積179秒)とつながり、鶏ふんを届けて飼料用米を買い取る『循環型養鶏』も1年目。 市内からの1000を含め、計5000、レイヤー1万羽と、若どり・赤鶏などの肉用鶏(年220万羽出荷)に与えている。 地元農家の支持は厚く「秋川さんが絶対に買い取ってくれるじゃろ?めんどい手続きもやってくれるやけんワシらも作れるんよ」との声が届く。 信頼関係の上にたつ、養鶏と稲作の『交差点』を紹介する。 皆の水田を巡り技術を高め合う 秋川牧園では毎年8、9月の両月末ごろ、連携する飼料用米(以下飼料米)生産者と田んぼを巡回して話し合う『圃場視察会』を開いている。 今夏は山口も厳しい暑さで、一部ではウンカ、カメムシ被害などもみられたが良好な作柄が期待できるという。 山口湾に朝日が差す周防大橋のたもとに軽トラ、ワゴン、SUVなど20台以上が続々と入る。 同行者の光井室長が「謎の集団でしょ」とほほ笑むが、秋川正社長や村田洋次長、東京農大の加藤浩教授、稲作農家、飼料・資材関係者、県やJAの職員、農研機構の研究者ら全員が欠かせないメンバーだ。 秋川社長が、今回は県の共励会も兼ねた視察になると説明。 それぞれの田を見て学ぼうと述べた上で「飼料米は9~10月がとても大事。昨年の皆さんからの1000トン分は順調にはけており、残60トン。もうすぐタンクが空になる。今年も収を心待ちにしている」と呼びかけた。 元・農研機構所属で多収品種のモミロマン、オオナリを開発した加藤教授は教え子2人を連れ「今後の参考のためにも、各品種への正直な感想をお願いしたい」と依頼。 それぞれがうなずいて車に乗り込んだ。 光井室長によると、飼料米の契約農家は高齢で抜ける人もいれば、新た参加者もいて活気が保たれている。 年2回の視察会がモチベーションと技術向上につながり、農水省が2016年に始め多収コンテストでは海地博志さん、長沼靖夫さん、(農)二島西、(農)ファームあまだ、三輪農産(株)が上位入賞を経験。 前回は、海地さんが低コスト・低労力の疎植栽培でありながら10アール(1000平方メートル) 812キロの単収で農産局長賞を受賞した。 飼料米づくりに集中できるようサポート その生産に対し、国は水田活用の直接支払交付金(水活交付金)でバックアップ。 多収型専用品種であれば10アールにつき5万5000円〜10万5000円を補助し、高収量であるほど支援は手厚い。 そこで秋川牧園は「皆さんが生産に集中できるように・・・」 と、申請書類の作成からコンテストへの応募、堆肥の供与、飼料米の集荷までを無償で担う。 この計らいに応えようと農家も収量を上げ、互いの信頼感が深まっている。 今回、まず訪問した(農)令和の瓜生野(以下瓜生野)では、審査員らが稲をかき分けて進み「ウンカ被害なし」「来期はヒエやハギなどの雑草に注意」と報告・助言した。 あぜ道に立つ農家らに「鶏ふん堆肥はどれだけまくのか?」を聞くと、「1反(約1000平方)当たり1トンを使い、地を高めている」という。 生産は慣行農法を基本に有機農法、直播、疎植栽培などいろいろだが、もみ付きの平均反収は700キロ。 希望者には秋川牧園がマニュアスプレッダー(散布機)を貸し出し、施肥は収穫後の稲株・稲わらを年内にすき込むときに混ぜたり、翌年5月に多くを追肥したりと適期に行なう。 瓜生野が栽培するのはみなちからで、苗床への播種を5月12日、移植を6月9~13日に実施。 栽培密度は坪45株。稲の成長期にあえて水抜きし、土壌に酸素を入れる『中干し』は7月25~30日。 8月30日に出穂し収穫は11月。これらのデータ共有も連携の特徴となっている。 圃場の審査者は茎や稲穂の成長度に加え、葉色(葉緑素)から栄養状態みるSPAD値、病害や雑草対策まで事細かに説明。光井室長は「このような共有が全体のレベルアップにつながり、高め合えているのは間違いないとしていた。 顔が見える飼料米産地との歩み 秋川牧園は市内23戸から計1000トンの飼料米を買い取り、北九州市・門司エリアの「みらい飼料(株)」に持ち込んで専用飼料とする。 飼料米の配合率はブロイラー、レイヤー用ともに3割程度。 山口県内産はもみ付き(もみ米)のまま配合し、他の産地からは玄米がメインになる。 秋川社長は飼料米事業について「飼料原料を海外に依存したままで良いのか?との問題意識が強い。大豆も含めた全量国産化は難しいが、秋川牧園ではすべて非遺伝子組み換え原料を使い、可能な限り国産化していることに意義を感じている。『顔が見える飼料産地』との歩みは互いの責任感につながり、消費者を含皆の安心感にもつながっていると思う」と話す。 飼料米は強さに加え収穫しやすさも大事 一行は中河原営農組合や各農業法人、秋川牧園OBの前川俊雄さんが営む圃場、『エサ米職人』こと海地博志さんと、その指導を受ける若手農家らの圃場を次々と回った。 農業者の1人に、どこを見ているかを質問したところ「田んぼ全体のつくりと、虫の状態を見れば状況が分かる。良い田んぼは穂数が多く、茎が力強く上に伸びている」との回答。 別の1人からは「茎が強いと倒伏しにくいが、強すぎると収穫時にコンバインの負担となる。麦との二毛作(イネ登熟期の後ろ倒し)をするか否かも含め、皆が自分に合った品種を選んでいる」とのこと。 詳しい管理台帳を見せてくれた12件のうち、9件がみなちから(晩生)、7件がオオナリ(同)4件が北陸193号(同)を付けていた。 15年前はモミロマンが主流であったが、秋川牧園によるとホシアオバや夢あおばなどの普及期を経て、現はみなちからのシェア拡大期にあるようだ。 秋川牧園の村田次長は「飼料米は品種改良こそ重要」とし、農畜連携の主軸かつ有事にも必須のため予算拡充を望む。 みなちからが選ばれるのは「他よりも背丈が低く倒れにくい。茎はそれほど固くないため刈り取りやすく、収量も良い」ためとみていた。 エサ米職人の田んぼを訪ねる 2017年度に『多収日本一』に輝き、その後も上位常連の海地博志さん。 視察日のイネも稈長(茎の長さ)104センチ、穂長2・4センチと他を上回り、穂数は1株当たり20本で、1平方が当たりでは300本と良好。葉色をみるSPAD値は43・9と色濃く、鶏ふん堆肥と肥料が効いていた。 審査員は、長く伸びた止め葉(最後に出てくる葉)で光合成が盛んに行なわれ多収になっていると分析。 海地さんは鶏ふんが好成績につながるとし「土壌改善効果がすごい。特に秋川さんのものは何度も切り替えされて十分に発酵しちょる。安心して使える、ええ鶏ふんじゃ」と話す。 その堆肥は、秋川牧園の山口・福岡両県の直営ブロイラー農場でつくられ、田んぼで使いやすいよう調整し、最終的に稲作農家まで届けられる。 これに対し、約11万羽分のレイヤー鶏ふんは中部エコテックの縦型コンポで処理。 こちらは敷料(繊維分)入りのブロイラー堆肥よりも即効性があり、主に畑作用に供される。 村田次長らが管理する同社グループ農場「(株)ゆめファーム」の有機野菜にも使われる。 田を巡る中で、海地さんらは「鶏ふんで地力が高まる」との言葉を何度も口にした。 水稲との相性は特に良いとされ、窒素成分が葉、リン酸がもみ、カリウムが根をバランスよく育てる。 海地さんは、たわわに実る稲穂を前に「ここは10年も鶏ふんを入れちょるから。1つの稲株からどんどん分けして伸びていく。ええ鶏ふんがあれば、飼料米はなんぼでも作れるよ」と続けた。 鶏ふんが求められる資源循環がうれしい 秋川社長はすべての稲作農家に対し、それぞれの経営を大切に、末永く協力を続けてほしいと考えている。 食用米からの切り替えは生産・保管面での負担を軽くし、その米が養鶏を支える。 もみ米のまま与えられるのはニワトリの特権・・・。 秋川社長は、養鶏と飼料米がサステナブルやSDGsに沿った価値を生み出すとし、「もみで守られた飼料米は、野外サイロでも十分保管できるほど強い。もう稲作はやめようか、と考える人にこそ試してほしい。国他の穀物振興にも注力しているが、近年のようゲリラ豪雨や、それらにともなう土壌の変化、そして雨後の厳しい日照りにも耐えられるのが飼料米といえる。地域で協力し合い、養鶏と飼料米の連携を続けていきたい」と話している。 ◇ ◇ 秋川牧園が市内農家への1つの選択肢として勧めた飼料米生産。 その15年前にまかれた「タネ」は芽を出し、穂となり、牧園のアイデンティティとなった。 「鶏ふん堆肥が求められ、循環するのが本当にうれしい」と秋川社長。 視察日の昼時には、飼料米で育てた純国産鶏種『はりま』の蒸し鶏弁当を振る舞い、農業談議をしながら食した。 連携先からは「こんなにうまい鶏肉あるんやね」「(飼料米づくりを)そりゃあ、ずっと続けたいと思っちょるよ」との声。 コメ育ちの肉で力を蓄え、視察は続いた。 |
今後も米余りが深刻となる中、日本の農地を守り、故郷を守るのは飼料用米なくしては、考えられない。
飼料用米について、農家がそれを仕方なく作るのではなく、元気に楽しく、前向きに作れる環境が大事であり、そしてそれに真剣に取り組む農家が地域の担い手として讃えられる関係が大切である。
飼料用米には、そのコスト面が求められるが、先にコストがよぎると、得てして粗放栽培となる懸念もあり、それではコストの貢献にはつながらない。
米が余るから、仕方なく飼料用米を作るのではなく、前向きに取り組む環境づくりこそが大切である。
そのためには飼料用米に取り組む農家が注目され、評価され、お互いに交流する中で切磋琢磨し、勇気づけられる関係が大切であろう。
昔から米は地力で作るという。
コストを落としていく要因の中で、なによりも収量の多いことが求められる。
そのためには、飼料用米には多肥が求められるが、この面でこそ、耕畜連携・堆肥供給が果たすべき役割は大きい。
堆肥が充分に田んぼに入れば、肥料代の節約だけでなく、何と言っても米作りの最大応援歌である、
“田に地力が付くこと”が何よりもうれしい。

2023年6月6日 秋川牧園 秋川實
秋川牧園|農ある暮らし / 自社生産の鶏肉・野菜などを宅配 (akikawabokuen.com)
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